新型コロナウイルスと熱中症の対策が必要
マスクをした上で熱中症を防ぐためには、冷房の効いたところで過ごすことや、三密を避けた場所ではマスクを外すなど臨機応変に対応することも大事だと言います。
「マスクを外すチャンスは必ずあります。周りに人がいなければ、飛沫を吸い込むことも、広げることもないので、マスクをする必要はありません。自分で広い場所に移動するなど、意識して、新型コロナウイルスと熱中症の対策を行ってください」と三宅氏。
毎日、現場で救急医療にあたる医師の1人として、「救急搬送された患者さんが新型コロナウイルスによる肺炎か、熱中症かはすぐに判別できません。医療従事者は毎日体調をチェックして、自身が熱中症にかからないように努力し、クラスターの危険にもならないように注意しながら活動していますが、それぞれがコロナにも熱中症にもかからないように、今年の夏は両方をよりていねいに少し大がかりで行うことで、どちらも防ぐことができます。その結果、医療現場の負担を避けられ、医療崩壊を防ぐことにもつながります」と、注意喚起しました。
エアコンを効率よく使う換気の方法
続いてのセッションでは、「エアコンは換気を行えない」というメッセージを発信し続けてきたダイキンによる、コロナ禍におけるエアコン冷房と両立した効率的な換気の方法が紹介されました。
基本的な換気対策としては、2003年以降に建築された建物内では、法律により設置が義務付けられている「24時間換気システム」で行えるとのこと。しかし、「スイッチがオンになっているかをしっかりと確認してほしい」と注意を促しました。
さらに、より十分な換気を行うためには、窓開けによる定期的な換気も推奨します。その際のポイントとなるのは、まずは「対角線上の離れた2ヶ所の窓を開けること」。その上で、「空気の入り口を小さく、出口を大きくすることで風が勢いよく通り抜け、効果的な換気が行える」と言い、ポイントとして「風の入り口と出口が近すぎないこと」も付け加えました。
窓が1つしかない場合には、扇風機やサーキュレーターが有用。その際、空気が窓の外に流れるように、窓の外に向けて設置するというのがポイントだと言います。
窓を開けても風が通らない間取りの場合には、キッチンのレンジフードを強運転で併用するのが有効。「レジフードは家庭内で排気を行う機器の中でいちばん排気量が多く、換気のサポートになります」と説明しました。
窓を開けての換気の頻度については、「回数がなるべく多いほうが効果的」で、例えば、10分間の換気を1時間に1回行うよりも、30分ごとに5分間の換気で、1時間に2回行うほうがよく、「ウイルス対策に限らず、室内の空気中に漂うCO2をはじめ、ホルムアルデヒド、VOCといった有害物質の濃度を薄められるので健康のためにも必ず行ってほしい」と注意します。
また、「窓を開けっぱなしにすると、外から暑い熱風が入ってきます。窓を開けている間も室温を押さえるため、エアコンはつけたままのほうがいい。設定温度をふだんより少し低めに設定しておくことで急激な室温上昇も抑えられ、電力消費の増加を抑えられます。エアコンはスイッチをオンにした時に電力消費が大きくなるため、節電のためにもつけっぱなしをお勧めします」とのことでした。
さらに、エアコン運転時の換気の際には、室内機から離れたほうの窓を開けることもポイント。
「熱い空気を吸い込むと、エアコンへの負荷が高まり、より電力を多く消費します。同じように室外機の周りに物があると、空気の流れが滞って、熱がうまく逃がせずにエアコンに負担がかかります」と解説し、室外機の周りの整理整頓や2週間に1度を目安にフィルターを手入れすることを勧めました。