• 小倉優香 (C)フジテレビ

――病院へ運ばれてきた患者の英子役を演じた小倉優香さんも、かなりインパクトがありました。

小倉さんは、微笑みの表情1つ取っても、すごく研究されていました。監督から「もうちょっとだけ口角をあげてみようか」と言われて調整するなど、計算しながらやっていました。だから、小倉さんと対面しても、血の通ってない冷たさを感じたんです。

また、近づいてくるときも、どこか人間味がないような動きになるように、工夫をされていましたし、体幹を鍛えられているので、すっと上半身が起き上がる動きもできるんです。私には絶対にできないんですが、それがすごく怖かったです。

  • 芦名星(左)と森田望智 (C)フジテレビ

――同僚の看護師、河本美恵役の芦名星さんも、かなり感情の起伏がある難しい役どころでした。

芦名さんは、監督から台本にはなかった難しい演出をされた際も、すぐにその指示通りにパッと役を組み立てられる即興性や柔軟性がすごいなと思いました。「どうやって役を作っているんですか?」と聞いたら、優しく教えてくださいました。

――現場で疑問に思ったことは、実際に聞いたりするんですね。

状況にもよりますが、私は聞きます。そういう意味では、本当に学びのある現場でした。

  • 松本大志(左)と森田望智 (C)フジテレビ

――菜央の彼氏である汐月勇馬役の松本大志さんが、後半はかなり引っ張っていく役どころでした。

勇馬は、優しくて真っ当な部分と、ちょっと抜けている部分の両方があるので、すごくかわいらしいなと思いました。役柄としては、彼が菜央の救いになっていくので、毎シーン、心の拠りどころのような存在でした。

■一生懸命髪の毛を引っ張ってくれた

  • (C)フジテレビ

――『リング』シリーズもそうですが、ホラーならではの演出として、今回も髪の毛が怖かったです。

私には見えてないところで、髪の毛がザーッと引いていくシーンもありました。それは、美術部の方が、一生懸命、髪の毛を引っ張ってくれていたのですが、その速度も監督と調整されていて、ありがたいなと。それはそれで楽しく見ていました。

――最後に、これからドラマを見る方へ、メッセージをお願いします。

人の怖さやホラー演出の怖さ、サスペンスな展開の恐怖など、いろんな要素が詰まった作品となりました。周りのキャラクターもかなり濃いので、私の視点を通して楽しんでいただけたらいいなと思います。

●森田望智
1996年生まれ、神奈川県出身。11年にCMでデビュー。19年にNetflix配信のオリジナルシリーズ『全裸監督』でヒロイン・恵美(黒木香)役を演じ、注目される。主な出演映画は『キスは命がけ!』(16年)、『一週間フレンズ。』(17年)、『世界でいちばん長い写真』(18年)など。ドラマの近作は『あの子が生まれる・・・』のほか、『トップナイフ―天才脳外科医の条件―』『柳生一族の陰謀』。9月27日から『一億円のさようなら』(NHK BSプレミアム)がスタート。