ケースにもプロ用途を意識した工夫が随所に
性能のすごさを垣間見たところで、「Z7-QR4」の本体ディテールも細かく見ておきたい。ケースはDAIVのイメージカラーともいえるブラック一色で、ケース前面の上下に取り付けられたハンドルが印象的だ。電源はボトム配置で、トップにケースファンを取り付けるようなスペースはない。
ハンドルの内側には滑り止めのゴムも貼られている。電源スイッチはノブをひねるという独特な機構を採用しており、新鮮な操作感が得られる。フロントパネル上下のカバーはマグネットで取り付けられており、手で簡単に外すことが可能。上カバーの内側には5インチベイ×3、3.5インチベイ×1が用意されているが、すべてブランクとなっている。下カバーの内側は金属メッシュのフィルターが取り付けられた通気口で、フィルターは取り外して洗浄も可能。
バックパネルの構成はUSB3.0×4、USB-3.1 Type-A×1、USB3.1 Type-C×1、PS/2×1、ギガビットLAN×1、光音声出力を備えたオーディオインターフェースという構成。イマドキの端子が一通り揃っているが、PS/2は久しぶりに見た気がする。
CPUとGPUをしっかり冷却できる内部構成
通気口が設けられた左サイドパネルを開けると、大きなサイドファンがお目見え。通気口を利用して外部からフレッシュな空気を取り込み、直接GPUを冷却できる仕組みだ。裏面配線は行われていないが、これはこれで左サイドパネルを開けるだけでほぼすべての作業が行えるというメリットもある。ファンを固定する金具はそのままVGAステーにつながっており、グラフィックスカードの脱落やゆがみを防止してくれる。
グラフィックスカードは「NVIDIA Quadro RTX 4000」。リアルタイム レイトレーシング用のRTコアを搭載したNVIDIA Turingアーキテクチャを採用したプロフェッショナル向けのGPUだ。
CPUクーラーは「水冷CPUクーラー」にカスタマイズされており、物理10コアなIntel Core i9-10900Kの熱をしっかりと冷却し、外部に排気してくれる。また熱によって速度が低下(いわゆるサーマルスロットリング問題)しがちなM.2 SSDにはヒートシンクが取り付けられており、高い負荷をかけても安定した動作が期待できそうだ。
仕事を効率化したいならやっぱりハイスペックPC
クリエイター向けに設計された「DAIV Z7-QR4」の実力は、まさにプロフェッショナル級だった。5年前のPCとはいえスペックは悪くなかったので、まさかSILKYPIXのRAW現像処理が半分以下の時間で終わるとは想定外であった。今回は写真のRAWデータ現像で比較したが、映像や音声、CGにおいてもこの処理速度は間違いなく活きるだろう。
しばらくPCを買い替えていないという方は、最新のハイエンドPC導入が作業効率向上のためにかなり有効だと自信を持って言える。さて、筆者もPC買い替えのための予算を組むとしますか……。