イベントがほとんどなくなり、ロケも困難になったことで、ネタ集めには苦労があったようだ。
「みんなでヒーヒー言いながら企画を考えていましたが、その中で、おうちで楽しめるエンタメやスポーツを毎日お届けする『おうちで楽しもうWEEK』を4月に展開したんです。こうやって1つ指針を立てることによって、伝えるべきネタが見つかっていきました。『あつまれ どうぶつの森』が流行りだしたときに、ゲームの中で『ココ調』のジャンパーを着て取材ができないかと任天堂さんに相談してそれが実現したり、休園中の誰も入れない動物園やフラワーパークをお見せしたり、制限がある中でどう視聴者に伝えるのかを苦しみながら、ポジティブに取材していきました」と、工夫を凝らして番組制作を進めた。
こうした状況によって、企画力が磨かれたことも実感。さらに、「取材の手段って、実は何でもいいんだということに気付かされました。世界中どこでも、SkypeやZoomを使えばインタビューもできるので、逆に取材できる幅が広がったという感覚がありますね」と発見があった。
■傑作選は必要最低限に
94年の放送開始以来の名物コーナーである「きょうのわんこ」と、何かに打ち込んでいる全国のキラキラした人を紹介する「キラビト!」については、取材が困難のため、やむを得ず“レジェンド編”として傑作選になったが、「これ以外に傑作選は絶対やらないということはこだわりました」と強調。
「時代がまさに動いている中で、“今”を誠実に伝えるのが情報番組の使命だと思うので、どんなニュースやスポーツ、エンタメでも企画でも、人々の営み、価値感が激変していく瞬間だったので、それを伝えていくことだけは守ろうとしました」
このため、この2コーナーを休止するという選択肢もあったが、「生活リズムの中で、『ここでわんこ』というように時計代わりに見てもらっている部分があるので、そういう人たちのためにもやり続けることにしました」と判断した。