単独の除湿機としても使える
F-YHTX90でもう1つ魅力なのが、除湿機としても単独運転できること。除湿可能目安の面積は、木造住宅で8畳、プレハブで13畳、鉄筋で16畳までの広さに対応します。エアコンを冷房運転するほど暑くはないけど、ジメジメ感(湿度)を下げたいという場合に、簡易的な空調機として使えます。
浴室やクローゼットなど、エアコンが設置されておらず、設置スペースが限られる空間でも活躍してくれるでしょう。F-YHTX90の重さは約10kgありますが、本体下部に4輪のキャスターが付いており、楽に移動できます。ハイブリッド式でもあるので、室温が低い冬場も、湿気がたまりやすい場所で結露対策用に使えるのもポイントです。
また、消費電力を節約する機能も豊富。例えば「エコナビ」機能は、洗濯物の量を自動で判断し、温度や湿度とその変化をセンサーで見分けながら、経済的に自動運転を行ってくれます。一般的に、衣類乾燥除湿機というのはそれなりに電力を消費する家電製品ですが、少しでもムダな運転を省く自動制御をしてくれるのは、長く使い続けているとランニングコスト(電気代)に大きな差として響いてくるものです。
カラッとキープモードがお気に入り
個人的にとても気に入った独自機能の1つは、「カラッとキープモード」です。F-YHTX90の衣類乾燥運転が終わると自動で「除湿おまかせモード」に切り替わり、余分な電力消費を抑えながら、湿度の上昇を抑えてくれるというもの。
多くの家電製品は、自動運転やタイマー運転の終了後は電源がオフになったり、運転がストップしたりするのが一般的です。F-YHTX90のカラッとキープモードは、洗濯物が乾いたあとも快適な湿度をキープしてくれ、乾いた衣類が湿ってしまうという心配もなく、何とも気が利いた機能だと思います。
衣類乾燥運転には、「速乾モード」「おまかせモード」「音ひかえめモード」という3つのモードがあります。速乾モードはスピーディーに乾かすことを最優先に、出力を最大にしたモードです。おまかせモードは乾燥時間は長くなるものの、消費電力を約52%も押さえて運転。同様に、音ひかえめモードは乾燥時間がさらに延びますが、消費電力とともに運転音を43dBまで低くして運転します。
F-YHTX90の運転音は、通常時でも衣類乾燥機としては静かなレベルだと感じましたが、寝ているときは気になる場合もあります。部屋干しの洗濯物、朝に起きるまでに乾けばいいというときには、音ひかえめモードはやはり便利な機能です。
ナノイーXも搭載
パナソニックの家電製品ということで、F-YHTX90にも、除菌や消臭に効果が期待できるパナソニック独自のイオン発生技術技術「ナノイーX」が搭載されています。これを利用した「ケアモード」には、これまでの「衣類ケア」に加えて、新しく「部屋ケア」と「寝具ケア」という2つの機能が追加されました。
具体的には、部屋ケアモードではナノイーXを部屋全体に行き渡らせて、ニオイ、花粉、浮遊菌、浮遊ウイルスを抑制。冬場の快適性にも配慮し、湿度が70%以上で除湿運転も自動的にスタートします。
寝具ケアモードは、ふとんなど寝具表面のニオイや湿気取りのためのモード。部屋ケアモードと同様に、湿度が約40%以上になると同時に除湿運転も行ってくれます。ふとんを昼間に屋外で干せない家庭や、ベランダ干しができないマンションなどで便利な機能です。
「ケアキープモード」という機能もあり、有効に設定しておくと、衣類乾燥の終了後に自動で部屋ケアモードに移行します。衣類乾燥が終わったあとも、継続して空間除菌や消臭したい場合にお役立ちです。
お手入れは、タンクにたまった水を捨てるだけ。満水になると自動で運転が停止するので、あふれることはありません。横長でトレー状のタンクは本体下部に収まっており、引き出して簡単に取り外せて、排水口もあります。容量は約2.4Lと少なめではあるものの、たまった水を捨てやすい設計のため、容量の少なさを問題に感じることはないでしょう。
衛生面を考えると、タンクにたまった水はこまめに捨てるほうがいいので、個人的には好印象です。たまった水を確認するたび「こんなに除湿できた!」効果を実感できるのも、なにげなくうれしいところ。さらに「内部乾燥」機能も備え、運転後に本体内部に残った水滴や湿気を乾燥させて清潔さを保てます。