雨が多い季節は外に洗濯物を干しづらく、かといって室内干しをするにも、ただでさえ湿度が高い状況の中で不快指数も上がりまくり。そこで上手に活用したいのが、衣類乾燥機です。
今回、2020年5月に発売となったパナソニックの衣類乾燥除湿機「F-YHTX90」を自宅で試してみたところ、想像以上に「デキる子」でした。さっそくその魅力をお伝えしたいと思います。
パナソニックの衣類乾燥除湿機は、以前からコンプレッサー式とデシカント式のハイブリッド仕様が特徴。コンプレッサー式は、空気を冷却することで発生する結露を利用して、空気中の水分を集めます。冷媒(ガス)を本体内部で循環させて湿った空気を冷やし、空気中の水分を水滴に変えて湿気を取り除くという、原理的にはエアコンと同じです。高温時の除湿能力が高く、湿度や気温が高い夏場に威力を発揮します。
一方のデシカント式は、ゼオライトという乾燥剤に水分を吸着させて空気中の水分を取り除く仕組み。運転時にヒーターを使用するため、室温に左右されず、冬場の低温時にも除湿能力を発揮します。コンプレッサー式と比べて、本体サイズが小さいことや、運転音が静かなことがメリット。反面、ヒーターを使用するため消費電力が高く、夏場は室温を上げてしまうのがデメリットです。
そしてハイブリッド式とは、コンプレッサー式とデシカント式を併用したもの。気温に左右されず、一年中効率的に衣類乾燥できる点が大きな長所です。ただし、2方式ぶんの部品を搭載しているため、本体サイズが大きくなってしまうことが難点でもあります。実際に、パナソニックのハイブリッドタイプの衣類乾燥除湿気は正直、なかなか存在感のあるサイズ感でありました。
ところが、新製品のF-YHTX90はコンパクトモデルとして登場。内部構造を大幅に見直し、高さが約33.5cmという背の低い設計を実現しました。ちなみに、従来モデルを継承したもう1つの新製品「F-YHTX200」の高さは66.2cm。高さだけを比較すると、F-YHTX90はおよそ半分の高さに収まっています。高さを抑えたことにより、本体形状も縦長から横長へと一新されました。
部屋干しの洗濯物、乾くのが早い!
本体形状が変わったことで、F-YHTX90は設置の仕方も変わりました。これまでの縦長フォルムの製品は、洗濯物の真下に設置できず(高い干し位置ならできなくもないですが)、洗濯物に向かい側から風を当てる方式でした。F-YHTX90では、吊した洗濯物の真下にも設置しやすくなったことで、部屋干し中の洗濯物に対して、ダイレクトに効率よく風を当てられます。
F-YHTX90の最大定格除湿能力(50Hz/60Hz)は、1日当たり7.8L/8.5Lです。F-YHTX200の18.0L/20.0Lと比べて半分以下ですが、F-YHTX90は風をムダなく洗濯物に当てて効率よく乾かせるためか、実際には数値以上におどろくほどスピーディーです。
F-YHTX90稼働前の湿度が60%・室温27℃だったリビングで、シングル布団のシーツとカバー、枕カバーを1組、2~3枚のTシャツを干したところ、F-YHTX90を動作させてから1時間くらいでほとんど乾いている状態でした。もちろん、その時々の湿度、洗濯物を干す量、布の種類にもよっても左右されます。
パナソニックが目安として公表している、「約2kgの衣類を約97分で乾かせる」というのは決しておおげさではなく、それ以上に早く乾くようにも感じました。洗濯物の水分は重力で下に移動するため、真下から風を当てるほう効率的ということでしょう。