――今回、『メガネびいき』とある意味でコラボレーションしましたが、こういった他番組などとコラボレーションについてはどう考えていますか。
『SCHOOL OF LOCK!』は普通のラジオ番組ではないという位置づけなので、実は今回もちょっと迷ったところもあるんですよ。普通に考えたら、話題作りやPRのために、絶対コラボレーションはたくさんやるべきなんですよね。
でも、『SCHOOL OF LOCK!』は、青春感とかリスナーとの向き合いをとても大事にしていて。校長と教頭に「悩みを聴いてください」というリスナーを、プロレスの装置的に使うことへの抵抗があるんですよ。
――なるほど。
なので、今回も意図的に、実はプロレス的な演出はしていないんです。やろうと思えば、「コノヤロー!」「教頭って名乗っているけど、本当にできるのか!?」みたいな演出もできたと思います。けど、本当に校長や教頭に悩みを聞いてもらいたいリスナーに対して、「じゃあ、矢作さん、相談に乗ってみてくださいよ」とやるのは、リスナーに失礼にあたるなと。
そのため矢作さんは、普段来ていただくミュージシャンなどと同じ立ち位置にさせていただき、「矢作先生なら答えてくれるんじゃないかと思う相談事」という入口にしました。リスナーも矢作さんに答えてほしいと思って、悩み相談をしてくるわけだから、それに対して矢作さんが答えるのは、なんらおかしくないですよね。
なので話を戻すと、コラボレーションをするときにも、そういった部分は番組として考えなきゃきけないポイントかなと思います。そこの軸がブレない形であれば、いろんな番組とコラボレーションしていくのはいいと考えています。
■「矢作への質問」企画からカップル誕生
――今回、矢作さんの出演について、リスナーの反応はいかがでしたか。
昔に『SCHOOL OF LOCK!』を聴いてて、今は『JUNK』とか『オールナイトニッポン』を聴いてる人が久しぶりに帰ってきて、「まだやってるんだな、校長・教頭が変わったんだ」「久しぶりに掲示板に書き込むか」などといったリアクションはありました。そして、うちのリスナーも「この後、矢作さん聴きます」と『メガネびいき』にいってる感じもありましたね。
あと、ピュアさの純度が違うからか、『SCHOOL OF LOCK!』を聴いた『メガネびいき』リスナーが受けた衝撃も強かったんだなと、SNSを見てて感じました。
――矢作さんも最後に「もし聴いてる生徒で、学校卒業して東京出てきて、染まったなとか汚れたなと思ったら、TBSラジオ聴いてくれ」と言ってましたね(笑)。
それでいうと、矢作さんが22時台でお帰りになった後も、さかた校長とこもり教頭の2人が「矢作先生なら答えてくれるんじゃないかと思う相談事」に答える企画をやっていました。
そこで電話を繋いで、空手部の女の子に話を聞いてたら、「好きな子ができた。数日後にその子の誕生日に何をあげたらいいか」という相談に発展していったんですよ。で、その好きな男の子も放送を聴いていたらしく、女の子宛てにLINEで「お前、今、ラジオ出てる?」と送られてきたそうです。
――えー、すごいですね!
女の子からは「好きなのがバレて気まずかったけど、週明けの男の子の誕生日に告白して、付き合うことになりました」と報告がありました。矢作さんの授業が実を結んだというか、ラジオ発でそんなことがあるんだなと僕らも思いました。
――元々は矢作さんへの質問として相談メールが来ていたわけですから、まさに今回のコラボがもたらした最高の結果と言えますよね。
そうですね。もともと矢作さんへの質問だったんですけど、帰った後に「矢作さんはいないけど、さかた校長・こもり教頭がその悩みに乗るぞ」とやっていたのが、実を結びました。でも、これを小木校長が知ったら、「付き合ってるんじゃねえ、まだ早いよ、50歳からだ」って言われそうですけどね(笑)。