性能も最高峰でゲームは快適、悔やまれるFeliCa非対応

カメラ以外の性能も、非常に高いものを備えています。チップセットにはクアルコムのハイエンド向け最新チップセット「Snapdragon 865」を搭載し、RAMは12GB、ストレージは128GB。2020年6月の時点で、国内で発表された5Gスマートフォンの中では最も高い性能を持っているのです。

この高性能が生きてくるのは、やはり3Dグラフィックをふんだんに使ったゲームでしょう。いくつかの3Dゲームを最高画質(最も高いフレーム数)に設定してプレイしてみたのですが、いずれも見た目にはフレーム落ちすることはありません。タブレット並みの大画面ということもあって、細かな部分も見やすいことから、狙って撃つ必要があるFPSなども快適にプレイできました。

  • Galaxy S20 Ultra 5G

    スマートフォンの性能によって画質の設定上限が変化する「PUBG mobile」の設定画面。まだ選べない「ウルトラHD」を除いた、最高画質の設定でプレイ可能

Galaxy S20 Ultra 5Gは、放熱性能にも力が入れられているようです。3Dゲームのように本体の性能をぶん回していても、端末があまり熱くならず、熱によるパフォーマンス低下もありませんでした。こうした点も、ゲームにこだわる人にはうれしいポイントといえるのではないでしょうか。

  • Galaxy S20 Ultra 5G

    「Call of Duty Mobile」を最高画質でプレイ。大画面でプレイしやすいのはもちろんのこと、何度か繰り返しプレイしても本体は熱くならず、快適なプレイを継続できた

  • Galaxy S20 Ultra 5G

    画質の細かな設定がない「アスファルト9」なども、高画質のグラフィックで快適にプレイ

バッテリー容量も5,000mAhとかなり大きく、多少激しい使い方をしても十分に持つレベル。ディスプレイの120Hz駆動などを使わなければバッテリー消費を減らせるので、シーンによって使い分けるといいでしょう。ちなみにワイヤレス充電にも対応していることから、充電も手軽に手軽にできるのもメリットといえます。

このように、Galaxy S20 Ultra 5Gはカメラ機能を中心として、現時点ではスマートフォンとして最高峰の性能を持つことに間違いないでしょう。ただ弱点と感じるところがないわけではなく、1つは先にも触れた通り、カメラ部分の出っ張りがかなり大きいこと。そしてもう1つは「FeliCa非搭載」だということです。

FeliCaが搭載されなかったのは、「Galaxy Fold」などと同様、特徴あるモデルは機能・性能を優先し、海外モデルをほぼそのままの形で投入するという、ここ最近のKDDIの方針が大きく影響しているといえそうです。もちろんKDDIが最も力を入れている「au PAY」などQRコード決済や、NFCを用いたGoogle PayによるVisaのタッチ決済などは利用できます。しかし、国内投入されている他のGalaxy S20シリーズはすべてFeliCaが搭載されていただけに、真の最高峰を極めるという意味でも、もう少しがんばりが欲しかったところです。