Twitterで反響のあった『ガルパ』と『PUBG MOBILE』の取り組みとは

続いて、ゲストスピーカーによる対談セッションへ。『バンドリ! ガールズバンドパーティ!(ガルパ)』などを開発・運営するCraft Eggの齋藤隼一さんと、『PUBG MOBILE』を国内展開するPUBG JAPANの國方大輔さんの2名が登壇し、Twitter Japanの古屋開さんによる進行で、新型コロナウイルスの影響下で変化したことや、取り組みなどについて掘り下げていきました。

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    Craft Eggの齋藤隼一さんとPUBG JAPANの國方大輔さんが登壇

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    『ガルパ』の紹介

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    『PUBG MOBILE』の紹介

――新型コロナウイルス影響下で、開発側との連携における難しさなどはありましたか?

國方さん(以下、國方):PUBG JAPANは本社が韓国で、『PUBG MOBILE』は中国のテンセントさんと一緒に開発しています。もともとオンラインでの会議は実施していましたが、在宅での対応が必要になったこともあり、予定の調整や変更は多々ありました。

齋藤さん(以下、齋藤):弊社はブシロードさんとの協業なのですが、ブシロードさんの対応が早かったので、2月から打ち合わせなどはリモートに切り替わっていました。3月後半から開発もリモート体制になりましたが、開発の遅延などは特になく進められています。

――アプリ内キャンペーンなどのスケジュールに影響はありましたか?

國方:計画していたオフラインの企画などは、状況によってガラッと変わってしまって。1月から2月にかけて年間の方針をまとめたところだったので、内容をすべて考え直す必要があり、ユーザーの皆さまの反応も見ながら再検討していきました。

齋藤:5月のゴールデンウィークにメットライフドームでのライブを予定していて、それに合わせてゲーム内でも大きく盛り上げていくことを検討していました。しかし、ライブ自体が開催できなくなってしまったので、盛り上げが難しくなるという状況に直面しました。

――KPIや目標の立て方が難しかった部分もあると思うのですが、いかがですか?

國方:こうした状況でも、あくまで当初の目標を目指していくというコミュニケーションを取っていました。KPIが下がったかと言われると、そうでもありません。

齋藤:うちもKPIは落とさず、ライブが開催できなくなっても、TwitterやYouTubeを活用して違った楽しみかたができるコンテンツを提供しようと考えていました。

――ゲームプロモーションの広告の打ちかたやありかたについて、方向転換などの判断はありましたか?

國方:方向転換はありました。『PUBG MOBILE』は、グローバルリリースが3月、日本リリースが5月だったので、3月と5月を盛り上げるために、オフラインの企画などを予定していました。

eスポーツの展開もあるタイトルなので、「PUBG MOBILE JAPAN CHAMPIONSHIP」のファイナルをオフライン会場で開催しようと考えていたのですが、ユーザーの皆さまに来ていただくことが難しくなってしまったのです。

その代わりにオンラインで大会を実施したり、Twitterのキャンペーンを実施したりして、幸いなことに非常に多くの人にオンラインで楽しんでいただくことができました。

齋藤:弊社のゲームタイトルは、 テレビCMや交通広告などのマス広告を多く打っているのですが、そのうち交通広告など屋外広告の予算を抑えるようにしました。一方、巣ごもりでテレビを視聴する人が増えたと思うので、テレビCMの予算を普段より増やしました。

広告のありかたに関しては、単に広告を打つよりも、皆さんに楽しんでいただけるコンテンツをどんどん提供していかなければならない、という話を以前からチーム内で話していたんです。なので、そうした方向に振り切るきっかけにもなったと思います。

――Twitter上で行った取り組みについて教えてください。

國方:ステイホームというキーワードに関連して、『PUBG MOBILE』ではゲームルールにちなんだ「#安全地帯にいよう」というハッシュタグを使いました。グローバルでも英語バージョンを使って、みんなで家で楽しもうという投稿が増えたのが取り組み事例の1つです。

ほかにも、ビデオ会議の背景画像を配ろうということで、本社へすぐに連絡したりとスピード感を持ってコミュニケーションしていました。

齋藤:Twitterの活用方針の変化は特になかったのですが、ハッシュタグを使ってユーザーの皆さんと楽しむ企画の数自体は圧倒的に増えました。ビデオ会議の背景画像は弊社も配布していて、ステイホームに関連した描き下ろしイラストをTwitterで公開しました。

――その他、Twitter上での施策や、特に反響があったものについて教えてください。

齋藤:4月7日に緊急事態宣言が出たあと、すぐに4月9日にはビデオ会議用の背景画像の配布、4月16日にはステイホームの描き下ろしイラストを公開と、このスピード感は良かったと思っています。この期間には、コンテンツとして生放送もたくさん実施しました。

大きなところでは、5月26日に告知した無観客花火大会。ブシロードさん主導で、6月2日に2000発の花火を配信しまして、これは緊急事態宣言明けに明るい話題を届けられたのではないかと思います。

ゴールデンウィークに開催予定だったライブの代替施策としては、YouTubeで過去のライブを実況して演者さんと一緒に盛り上がる企画を実施しました。ゴールデンウィーク中、ほぼ毎日行ったんですが、毎回だいたいトレンド入りして、皆さんと盛り上がることができたかなと思います。

3月16日の周年では、Twitterの生放送機能を使わせていただいて。3月1日に情報解禁をしてから、毎日トレンド入りを目標にしていたのですが、結果としてほぼ毎日トレンド入りすることができました。その成果もあって、周年時における新規ユーザーの獲得ボリュームは、過去最大になりました。

こうした施策では、ユーザーさんと一緒に周年に向けて盛り上がれたことがとても大きいと考えています。ゲームづくりだけではなく、Twitter上でのコミュニケーションも大事なんだということを実感できた周年でした。

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    ガルパのTwitter施策

國方:『PUBG MOBILE』は周年を迎えるタイミングで、多くの方々と交流する日本独自の施策を検討していたのですが、情勢によっていろいろな変化がありました。

アーティストのGACKTさんが『PUBG MOBILE』の非常に熱心なプレイヤーでして、1年ほど前からコラボスキンを作ろうと計画していたんです。それが、日本リリース周年のタイミングで出ることになり、オフラインイベントや公式生放送でお客さまを呼ぼうと検討していたのですが、このような情勢で難しくなってしまいました。

こうしたタイミングで、『PUBG MOBILE』をオンラインで交流しながら楽しめるエンターテイメントとして提案できないかと考え、それを拡散するために行ったのが、TwitterのSpotlightを活用した展開です。

流れとしては、5月10日にティザームービーを公開し、周年の16日に合わせてTwitterキャンペーンを開始。単純にRTして応募しようというものではなく、「あなたのリフレッシュ方法は?」という質問をして、答えてもらったリフレッシュ方法をもとに『PUBG MOBILE』で体験できることを提案する内容にしました。

GACKTさん自身も、こうした状況でゲームを通じたオンラインでの交流を楽しもうと考えてくださっていて。海外にいらっしゃったGACKTさんには、コメント映像の撮影にもご協力いただきました。

そして、従来はここで終わりなのですが、17日にもSpotlightで展開させていただきました。ポジティブなメッセージとして「#今こそドン勝」というハッシュタグで露出した結果、16日も非常に投稿は多かったのですが、翌日も会話量が落ちることなく、結果として本年度における最大のユーザーアクセス数を記録しました。

Twitter上での話題を醸成して、多くの人に「プレイしてみよう」と思っていただけたのは非常にうれしいことですし、弊社としても非常に良い取り組みになったと考えています。

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    『PUBG MOBILE』のTwitter施策

最後に、國方さんは「ただ露出を増やしてインストールさせるのではなく、会話を増やすことによって“プレイしてみよう”という気持ちを作ることが大切」、齋藤さんは「点ではなく面や線で考え、流れを作って会話の総量を増やすことが、ゆくゆくはゲームのKPIに反映されていく」とTwitterの活用方法について総括し、対談セッションは締めくくられました。