●ジャケット写真撮影を経て完成したカップリング曲
――続いて、カップリング曲「バスルームジェットキャンディ」についてうかがいます。こちらはどういう曲に仕上がっていますか?
この曲は本CDの「エナ盤」のジャケット撮影が終わって、出来上がった絵を見てから作りました。
――バスタブに浮かんでいる、あのジャケット写真。
そうです。「この写真で1曲!」と出されたお題に対して回答する、そんな大喜利スタイルで作った曲でした(笑)。「DEAD STROKE」は戦闘力の高い楽曲ですが、カップリング曲は戦いに帰ってきた子が部屋で「もう終わっちゃえ」と思う、切ない系ソングになっています。
――藤田さんはこれまで衝撃的なジャケット写真などをよく展開されていますが、こういったテーマはだれが決めていますか?
これまでの楽曲も含めて、すべて自分でテーマを決めています。話題になった全裸写真は、グラビアの仕事などの経験から「これくらい際どいカットをやるなら、CDでも表現できたら本望だな」と思ったんですよ。そしたら、制作スタッフさんが味をしめたのか、毎回、毎回入れようと言われるようになりまして……(笑)。ただ、やるからには「こういう感じで」と、テーマは提案をしています。
――そうだったんですね!
実は今回のシングルを出す前は「次は服を着て、カッコいい感じでジャケット写真を撮ろう」という話をしていたんですよ。ただ、『バキ』の制作サイドから作品と併せて「肉体美」を見せたいというリクエストをいただいたので、今回も脱ぎました。そこは簡単に折れましたね(笑)。
――なるほど(笑)。一方のバキ盤のジャケットは、刃牙と藤田さんが戦っている絵を描き下ろしたものになっています。
『バキ』関連で女性アーティストを描き下ろしたり、コラボしたりするのが初めてらしくって! 私でいいのかなとも思いながらも、感動しました。
――その他、エナ盤には、アルバム『色者』に収録されている「境界線」のMVが付きます。
「境界線」のMVは私が監督を務めました。井口昇さんに監督補佐という形でご協力いただいたのですが、企画段階では、今回のMVに出演してくれたファンが拳をあげて「戦うぞ!」と自らを鼓舞している絵を撮りたいと相談していたんです。その結果、「ファンの方々に運動会をしてもらおう」というコンセプトのもと、泥臭い感じの映像も織り交ぜながら、ライブシーンではみんなで「わーっ!」と盛り上がるという、熱いMVに仕上げることができました。
――撮影は楽しかった?
楽しかったです! 過去のMV撮影でいちばんだったかも。今回は、自分の頭のなかに絵がしっかりありましたし、エキストラの方々がみんな私のファンだったので、想像図を伝えやすかったんですよね。それが自分の性に合っていたのかもしれません。
●歌声と喋り声のギャップも魅力のひとつ
――エナ盤には、2019年7月7日に新宿ReNYにて行われたワンマンライブ「BIKINI RIOT」の模様を収めたDVDも付属します。こちらはどんなライブでしたか?
バンドとアコースティックの2部編成で行ったので、色々な味わいを出せたワンマンライブになりました。あの時はAbemaTVさんが生中継をしてくださったこともあってか、例年に比べてスタッフさんが多かったので、いつも以上にやりやすかったです(笑)。熱いライブになったと思うので、ライブに来たことがない方にも見て欲しいです。
――今回のアニメタイアップをきっかけに、藤田さんのことを知る方もいると思います。改めて、藤田さんがどういうシンガーソングライターなのか、教えていただけますか。
よく言われるのが、「歌声と喋り声が違うね」ということ。でも、どちらも作っているわけじゃないんです。『こち亀』(『こちら葛飾区亀有公園前派出所』)の本田(速人)みたいに、ライブではスイッチが入るというか(笑)。そういうギャップも面白がってくださればと思います。 歌に関しては、激しい曲だけどもどこか懐かしみのある、ノスタルジックな言葉を入れたいという気持ちでいつも制作しています。また、分かりやすい言葉をチョイスしつつも、なるべく「これは何のことを言いたかったのかな」という、なぞなぞを吹っ掛けるような曲作りを心がけているので、その点にも注目してください。聞いた人の戦闘力が上って欲しいという想いを込めて歌っていますので、私の歌で熱くなっていただければと思います。
――本日はありがとうございました。最後に読者の皆様へメッセージをお願いします。
マイナビニュースをご覧の皆さん、こんにちは、藤田恵名です。
――CDTVだ(笑)。
偶然そうなっちゃっただけです(笑)! えー、改めまして! この度、『「バキ」大擂台賽編』のEDテーマ曲を歌わせていただくこととなりました。アニメソングを歌うのはひとつの目標でもあったので、今回叶えることができて感無量です。この歌を聞いて戦闘力を上げて欲しいですし、いつかはライブにも来ていただきたいなと思っています。……もっとちゃんとしたメッセージを残したかったけど、何を言えばいいのか忘れちゃった……。けど、とにかく色々な人が聞いてくれると、私としてはとっても嬉しいです!
――素敵なメッセージありがとうございました! 以上で取材は終了となります。
あの、バイト歴とかは言わなくてよかったですか?
――バイト歴?
マイナビさんなので(笑)。今日はそういうのも聞かれるのかなと思っていました!
――今度はそういうインタビューをやりましょう!
ぜひ! リリースタイミングじゃなくてもいいので、バイト歴などもお話させてください(笑)。よろしくお願いします!
●藤田恵名ニューシングル「DEAD STROKE」
発売日:6月10日
エナ盤
CD+DVD
価格:3,000円(税抜)
バキ盤
CD
価格:1,273円(税抜)
・CD
1.DEAD STROKE
2.バスルームジェットキャンディ
+off vocal ver.
・DVD
・藤田恵名ワンマンライブ「BIKINI RIOT」ライブ映像
・「境界線」MV収録
(C)板垣恵介(秋田書店)/バキッッ製作委員会