藤田恵名(ふじたえな)。7月7日生まれ。福岡県出身。プラチナムプロダクション、キングレコード所属。シンガーソングライターとしてだけでなく、グラビアアイドル、女優など多方面で活躍する。2018年6月20日にファーストシングル「言えない事は歌の中」をリリース。身体を張った過激なジャケット写真やMVで注目を浴びる。2019年6月にはオリジナルアルバム『色者』を発売。自身で作詞作曲し、精力的にライブ活動を行っている。趣味は麻雀

歌手活動と並行してグラビアアイドルとしても活動する藤田恵名。「いま一番”脱げる”シンガーソングライター」という衝撃的なキャッチコピーとそのコピーにふさわしい活動が話題となり、TV番組やさまざまなメディアに出演している。

そんな彼女が、Netflixにて配信中のアニメ『「バキ」大擂台賽編』のEDテーマ曲を歌唱する。今回は、初めてアニメタイアップ曲を歌う藤田にインタビュー。表題曲の聞きどころに加えて、彼女のアニメ事情などについて話を聞いた。

●好きなアニメ作品は……

――ニューシングル「DEAD STROKE」は『「バキ」大擂台賽編』のEDテーマ曲。藤田さんにとって、初のアニメタイアップ曲です。まずは、藤田さんのアニメ事情について、教えてください。

語れるほどではないですが、アニメは好きなので普段からよく見ています!

――そうなんですね! どんなアニメがお好きですか?

去年の春くらいから『名探偵コナン』を1話の1話から見始めました。

――1話の1話……?

アニメシリーズの最初からって意味です(笑)。『名探偵コナン』は私が幼いころに始まった作品だったので、物語がどういう経緯で今の状況になったのかがあんまり分かっておらず、最初から見直そうと思ったんですよ。人物関係や、物語が今に至るまでの経緯を知れば知るほど夢中になって、今なお『コナン』フィーバーが続いています。

――フィーバー中! ちなみに『名探偵コナン』のなかで好きなキャラクターは?

(工藤)新一がとても好きだったのですが、年を取ってきたからか、最近は江戸川コナンくんが愛おしく思えてきました(笑)。かわいい! でも、マインドは新一だから、カッコよくもあるんですよね。かわいさとカッコよさのどちらも兼ね備えているところに、よりグッときています。あとは赤井(秀一)さんもカッコいいし、服部平次もカッコいい。灰原哀ちゃんの声を担当されている林原めぐみさんは、私と同じくキングレコードに所属されているんですよね! その事実を知った時、人知れず感動していました(笑)。

――なるほど(笑)。その他、最近見たアニメはありますか?

通っているネイルサロンでNetflixをよく利用しているのですが、その時に『モブサイコ100』を見ました。面白かった~! モブ(影山茂夫)みたいに、常人とは違う力を持っている男の子が好きなのかもしれないです。あとは、『おねがいマイメロディ』。マイメロディの腰付きがかわいいんです。よく見てみてください!

――わ、わかりました!

よろしくお願いしますね!

――好きなアニメを聞いてきましたが、今回、主題歌で関わることになった『バキ』は見たことがありましたか?

名前を聞いたことはありましたが、原作マンガもアニメも見たことはありませんでした。主題歌を担当するとなってから、原作マンガを読みましたね。

――実際に読んでみて、いかがでしたか?

主人公の範馬刃牙が、「地上最強の生物」である父親の範馬勇次郎を超えることを目標とし、努力を重ねる。圧倒的な存在を超えようとする刃牙の執念や無我夢中さは素敵だなと思いました。実は、個人的には『バキ』のような、人が残酷に倒されたり、血が流れたりする作品はあまり見ないんですよ。ただ、私のMVを思い返してみると、血を流しているシーンがあるものばかりなんです(笑)。そう考えると、自分とリンクする部分もあるなと思ったんですよ。実際、私のライブに来てくださる方も『バキ』のことを知っている人がたくさんいるので、やっぱり通ずるところがあるんでしょうね(笑)。

●もうここで撃ってくれ!

――「DEAD STROKE」は、藤田さんご自身が作詞を担当されています。詞にはどのような想いを込めていますか?

戦闘力というのを中軸にしつつ、サビの頭では範馬勇次郎という存在をなかなか超えられない刃牙の葛藤、圧倒的な想いを表現しています。また、『バキ』といえばやっぱり肉体が印象的な作品ですので、歌詞にも体の部位を表現する言葉を用いることを意識しました。

――これまで藤田さんが歌唱してきた曲もご自身で作詞をされていますが、今までと今回では、詞を考えるうえでの感覚は違った?

全然違いました。ただ、今まで自分が作ってきた曲も「攻めの姿勢」のものばかりだったので、特別難しい、ということはなかったですね。苦戦した点は、作品に寄せた言葉を探すことくらいでした。

――そんな作品への想いも込めた一曲。レコーディングはいかがでしたか?

今までよりも予算を回していただけたので、すごく快適な環境で歌うことができました。

――えっと……(笑)。

あ、質問の意図と外れちゃいましたか(笑)。それ以外だと……私、以前にポリープが出来たことがあって。無理をし過ぎちゃうと再発するかもしれないので、耳鼻科に行って定期的に薬を貰っているんですよ。今回もそれを貰ってからレコーディングに臨みました。私にとってこれはお守りなんです。あれ、こういう回答で合っていましたか?

――できれば、準備以外に、気持ちの面や実際の歌唱面で気を付けたことも教えていただければと!

わかりました! 「DEAD STROKE」は、普段歌っている曲よりも2つくらいキーが高かったんですよ。キーが高い場合はファルセットでカバーすることが多いのですが、今回は力強さが欲しいというオファーがあったので、地声で歌いました。レコーディングはわりとスムーズに進みましたが、ライブでやるとなったらこの曲はしんどいと思います。でも、全世界で配信されるアニメのタイアップ曲の制作中に泣き言なんて言っていられないので、お守りを握りしめながら歌いました。

――ここで、先ほどお話があったお守りに繋がるんですね。さすがの着地です。

ありがとうございます(笑)。

――レコーディングするときは、どういうことを思い浮かべていましたか?

初めて聞かれたかも! 改めて考えてみると、ライブをしている自分を想像している気がします。曲を作るときも、歌っている自分はどういう姿なのかと思い浮かべながら作っていますね。

――お話をうかがっていると、藤田さんのなかではライブという存在が大きいんですね。

大きいです。やれどやれども終わりがないのに、1回では物足りない。それなのに、1回のライブで得られる満足も確かにある。私にとってのライブは、刃牙にとっての勇次郎と同じなのかもしれません。というのも、ライブでは、「戦っている」という気持ちもあるんですよね。太刀打ちできないくらい大きな存在といつも戦っている。そんな存在と対峙するときはいつも、「ここで朽ち果ててもいい」という気持ちでいるんですよね。

――それくらい、魂を込めてライブをやっている。

そうですね。多少は無茶をすることもあります。連日ライブがあったときは「あーあ、昨日やり過ぎちゃった」と思うこともありますが、やっている最中は「もうここで撃ってくれ!」というくらい、気持ちが昂ります。

――その気持ちは『バキ』という作品にも通ずるところがあるかもしれません。

そう言っていただけると嬉しいです!