――上堀内監督の回では、32話「憎悪の雨が止む時」、そして33話「新たなる刺客」のナダをめぐる展開も大きな山場になりましたね。
ナダは26話から登場しました。バンバとトワの兄弟にとって関わりの深いキャラクターで、バンバとは以前の関係をうかがえる場面が描かれているんですけれど、トワはそれがないんですよね。だから、ナダとトワはどういう関係だったのか考えながら演じていました。ビデオレターを見るシーンも、「コウとトワとバンバは、ナダと直接関わっているから、それを踏まえて表情を作ってほしい」と監督からお話がありました。また、監督から「ナダの死を3人はどう受け止めるのか」という問いかけもあり、すごく考えさせられましたね。
――やっと本当の仲間になったと思った矢先でしたからね。
そうなんですよ! 僕も32話でとても心強いキャラクターが仲間になってくれたなと思っていたんです。それで次の話の台本を読むじゃないですか。最初は卓球のくだりで楽しそうな回なのかなと思っていたら、ウデンが出てきてっていう……。ああ、こうなるのか……って、僕もまったく予想していない展開でした。演出も上堀内監督が担当してくださるというのは事前に聞いていたので、どういうふうにもっていこうかとすごく考えさせられた回でした。32話の気持ちを33話にももっていく、その話のつながりを大切にしていました。
32話でグリーンが強竜装してガイソーグに向かっていくシーンで、トワがコウのセリフを食い気味に発するところは、アフレコで「ここは(コウの)セリフを食っても大丈夫ですか?」と提案した場面でした。監督も「食い気味で言ったほうが、トワとしての気持ちの強さ、"こうしたら助けられる"というトワなりの考えで発しているというのを強調できるからいいんじゃないか」ということを言っていただいてできたシーンなんです。そこはすごく気持ちを入れやすかった。ここもトワとしての成長を感じることができる場面でした。
――ファンの方からの反響も大きかったですよね。
毎話なのですが、終わったあとに「どうでしたか?」というツイートをすると、いろんな世代の方から反響をいただくんです。それが、自分が思ってもみなかった角度の見方をされているコメントもあるので、それはすごく芝居の参考にさせていただいています。特撮のファンの方ってすごく熱い方が多い印象があります。今後の展開についてすごく鋭い考察をされている方もいて、放送後はSNSを見ることが楽しかったですね。
――今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、非常に残念なことに「ファイナルライブツアー」が全公演中止となってしまいました。しかし、アクションショーのための音声が、このたびCDとして日の目を見ることになったそうですね。いわば『リュウソウジャー』最終回の"その後"の物語がここに明かされるということですので、ファンにとってはたまらない贈り物になるのではないでしょうか。CD発売を記念して、改めて小原さんからファンのみなさんへ、ひとことメッセージをいただけますでしょうか。
僕たちが1年間作り上げて来た作品、リュウソウジャーの世界のラストをこういう形で皆さんにお届けできると思うと本当にうれしく思います。最終話のその後で皆さんそれぞれ色々な感情を抱く内容になっていると思います! まさに1年間の集大成、僕たちの最後をぜひ見届けて下さい。どうか僕たちのソウルが皆さんともう一度ひとつになることを願っています。
ドラマCD『「騎士竜戦隊リュウソウジャー ファイナルライブツアー」おはなしCDスペシャルセット』は東映ヒーローネットにて予約受付中で、7月12日23:59予約受付終了(数量限定のため、早期に終了の可能性あり)。会場で販売される予定だった公演パンフレットに加え、ショーの台本、そして「ファイナルライブショー」の音源を収録したおはなしCDの3点セットとなっている。
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