一眼レフの楽しさと進化が味わえる佳作

本来、写りはレンズの描写特性が大きく影響しますが、今回レンズキットとして付属する標準ズームレンズ「EF-S18-55mm f/4-5.6 IS STM」と望遠ズームレンズ「EF-S55-250mm f/4-5.6 IS STM」は、かなり満足できる結果が得られました。グレードの高いレンズを使えば、一層見応えのある画像をもたらしてくれるでしょう。

個人的には、ミラーレスのEOS Kiss Mの登場で、一眼レフのKissは新機種がもう登場しないかもしれない…と思っていましたので、EOS Kiss X10iの登場はうれしい誤算となりました。むしろ、実際にあれこれ使ってみると、一眼レフの優位性はまだまだ失われていないように思えるばかりか、 一眼レフだから撮影が楽しいと思えることも多く、今後も一眼レフのKissは定番として存在するだろうと強く確信しました。クリアな見え具合の光学ファインダー、動くものに強いAF、手軽に楽しめるライブビュー機能など、欲張りな写真愛好家でさえも満足できるカメラだと感じます。

  • こちらはライブビューでの撮影。被写体が画面の端にあっても、画面のほとんどをカバーするAFエリアにより正確にピントを合わせられます。バリアングル式の背面液晶はコントラストが高く、明るい屋外でも見やすく感じました(EF-S 55-250mm f/4-5.6 IS STM、絞り優先AE(絞りF5.6、1/500秒)、+0.33EV補正、ISO100、WBオート)

  • 広いダイナミックレンジを持つのもこのカメラの魅力。白トビも黒ツブレもよく抑えられており、APS-Cサイズのイメージセンサーを搭載するデジタル一眼レフとして文句ない写りです(EF-S 18-55mm f/4-5.6 IS STM、絞り優先AE(絞りF8.0、1/320秒)、-1.33EV補正、ISO100、WBオート)

  • 不満のない階調再現性と広いダイナミックレンジを誇るカメラだと感じます。レンズキットのレンズで撮影するのもいいですが、Lレンズのようなグレードの高いレンズだと、このカメラの真価がより発揮できそうに思えます(EF-S 18-55mm f/4-5.6 IS STM、絞り優先AE(絞りF5.6、1/400秒)、-0.67EV補正、ISO100、WBオート)

  • 微妙に異なる色調の被写体も繊細に再現。ホワイトバランスはオート(雰囲気優先)ですが、日陰での撮影ながらナチュラルな色あいの仕上がりが得られました(EF-S 55-250mm f/4-5.6 IS STM、絞り優先AE(絞りF5.6、1/320秒)、+0.33EV補正、ISO250、WBオート)

  • キットレンズの望遠ズームであるEF-S 55-250mm f/4-5.6 IS STMと組み合わせても、とてもコンパクト。街歩きなどでも、手軽に望遠撮影が楽しめます(EF-S 55-250mm f/4-5.6 IS STM、絞り優先AE(絞りF8.0、1/500秒)、-0.67EV補正、ISO100、WBオート)