出る出ると言われては長らく肩透かしが続いていたiPhone SEの後継機。それがついにこの4月に発売されました。近年の高価格化で機種変更に二の足を踏んでいた人はもちろん、マスク必須の生活でFace IDの弱点に困っていた人にとっても、乗り換え検討の俎上に乗るモデルになっているのではないでしょうか。
しかし、果たして一度大きな画面に慣れてしまった後で小さなサイズに戻れるのでしょうか。iPhone 11 Proを使用中の筆者が1週間ほど試してみました。
第2世代「iPhone SE」のおさらい
「ボディは8、中身は11」と言われる第2世代SE。実際に8/11 Proとスペックを比べてみましょう。
ちなみに、初代SEを使い続けようやく第2世代SEに機種変更した人によると、「初代より大きくなったがポケットに入れても意外と収まりがいい」「夜の室内で撮った写真が明瞭で、明らかに違う」とのこと。言うまでもないことですが、初代SEユーザーに対してはお勧めしかありません。
画面サイズは小さくなっても意外に慣れる
第2世代iPhone SEとiPhone 11 Proのボディサイズは、一見するとそれほど顕著に違うわけではありません。が、画面サイズには大きな差があります。
一度広い部屋に住むと狭い部屋には戻れない、と言われるように、大きな画面から小さな画面に戻るのは難しいのでは……という点を懸念していましたが、これは意外に2〜3日で違和感なく使えるようになりました。
もちろん、大きい方が見やすく情報量も多いのですが、操作面での支障はありません。ゲームや動画視聴で大画面にこだわる必要がなければ、4.7インチも十分に現役。むしろ、筆者にとっては扱いやすいサイズと言える印象です。
何より、マスクをしていてもロック解除できるTouch IDは、このご時世を背景に復権喜ばしいテクノロジーです。ちょっと通知を見たりアプリを開こうとする度に、Face IDのエラー→パスコード入力という煩わしさから解放されるのはありがたいことです。
画面サイズよりも身についた操作が障害に
思いがけず大きなハードルになったのが、操作性の違いです。iPhone Xで初めてホームボタンがなくなった時に感じた戸惑いを、今度は逆から体験するわけです。ホームに戻るのはもちろん、Apple PayやSiriの起動、スクリーンショットなど、ホームボタンを使う操作を軒並み忘れていたため、かなり戸惑いました。
そして、ホームボタン以上にその他の小さな使い勝手の違いにも困らされました。
さらに引っ掛かったのがアプリスイッチャーです。SEはホームボタンを2回押してアプリスイッチャーが開き、アプリを切り替えます。しかしFace IDモデルでは、画面下部にある黒いバーを左右にスワイプするだけで、その前後に使用していたアプリと切り替えられます。アプリスイッチャー機能も使えますが、こちらの方が早くて便利。これはiPadとも共通の操作で、かなり日頃の動作に染み付いていたことに気付きました。
画面サイズもアプリの動作速度も、通常使用する範囲内でSEが特に見劣りする部分はありません。しかし、日頃の何気ない操作については、昔の使い方に戻るまでに慣れが必要になりそうです。
では、最後に気になるカメラ性能を比較してみましょう。