実性能をベンチマークテスト、発熱はやや注意
ここからは性能をチェックしていく。まずは、「CINEBENCH R15」、「CINEBENCH R20」、「PCMark 10 v2.1.2177」、「3DMark v2.11.684」、「CrystalDiskMark 7.0.0f」の結果から見ていこう。
PCMarkのスコアから文書作成などオフィス系のアプリならまったく不満なく使える性能があると言える。また、CrystalDiskMarkはシーケンシャルリードが3,000MB/sオーバーとNVMe SSDの中でも十分高速と言える結果。ランダムアクセスも高速だ。
その一方で3DMarkのスコアはあまりふるわない。CPU内蔵のグラフィックはIris PlusとIntelの中では上位モデル。ゲームのプレイも期待できるのでは、ということでFPSの中では比較的軽めの「Tom Clancy`s Rainbow Six Siege」と定番MMORPGの「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」で性能をチェックする。
Tom Clancy`s Rainbow Six Siegeは解像度を1,280×720ドットで画質設定を最低にしても快適にプレイするには厳しいフレームレートだ。FF14のベンチマークも同様で、快適にプレイは難しいスコアとなってる。グラフィックがIris Plusならば、このクラスのゲームならプレイできてもいいはずだが、本機の場合はメモリが1枚だけでシングルチャンネル動作なのでメモリ帯域が狭く、本来の性能を出し切れないのでは、と推測される。
また、これだけ薄型軽量だと発熱も気になるところ。ペガシスのエンコードソフト「TMPGEnc Video Mastering Works 7」でH.264の4K動画をH.265に変換する作業を10分間実行したときの、CPUの動作クロック(Core 0コア)とパッケージ温度をHWiNFOで追ってみた。
CPU温度が90℃付近になるとサーマルスロットリング発生して動作クロックが下がる。これは薄型のノートPCではごく普通の動作だ。その後はCPU温度は80℃付近、動作クロックは1.5GHz付近で安定。7分過ぎから微妙にCPU温度が上がり、若干動作クロックが下がっているが、これは高負荷な状態が長く続いてもCPU温度が上がりすぎないようにうまくコントロールできていると見るべきだろう。実際、温度の危険域であるフラグ(Critical Temperature)が立つことは確認できなかった。
バッテリー駆動に関してはPCMark 10のバッテリーテストから一般的なアプリの動作を繰り返す「Modern Office」を実行した。バッテリー残量が100%の状態から20%までの連続動作で13時間13分を記録。通常の作業であれば、ここまで連続して動作させることはないと思われるので、1日持ち歩いても十分安心といえる駆動時間だろう。
14型と作業しやすい画面サイズながら、片手で十分持てる約999gの軽量ボディは驚異的だ。それでいながら長時間のバッテリ駆動と4コア8スレッドのCPU、高速なストレージも搭載と性能面を犠牲にしていないのは見事。このモデルはMicrosoft Officeも標準搭載しており、仕事ですぐに使える。3D性能だけは残念だが、もともとゲーム向けのノートPCではないのでそれほどマイナス要素にはならないだろう。軽くて実用性の高いモバイルノートを求めているなら一見の価値アリだ。