角度が自由に変えられ、背景の写り込みも抑えられる

実際に、MacBook AirとWeb会議ソフト「Zoom」を使って試してみました。fpもMacBook AirもUSB Type-C端子を搭載しているため、MacBook Airに付属する充電用のUSB Type-Cケーブルを使って両者を接続し、撮影モードを「CINE」に切り替えて電源を入れるだけでOK。すると、USBモードを「マスストレージ」と「ビデオクラス(UVC)」から選択する画面が表示されるので、後者を選びます。あとは、Zoomのアプリでカメラを「FaceTime HDカメラ(内蔵)」から「SIGMA fp」に切り替えれば、fpの映像が表示されます。

  • USB Type-Cケーブルでパソコンと接続する。MacBookシリーズの場合、標準で付属する白い電源ケーブルが通信用として使える

  • 電源を入れ、撮影モードを「CINE」に切り替える

  • USBモードを選択する画面が出るので、「ビデオクラス(UVC)」を選ぶ

  • Zoomのソフトウエアでは、カメラの選択で「SIGMA fp」を選べばよい

キットレンズとしてもおなじみの標準レンズ「45mm F2.8 DG DN」を装着したfpは、映画のワンシーンのような立体感のある美しい映像をもたらしてくれました。特に、レンズが広角で室内が丸見えになってしまう内蔵Webカメラとは異なり、望遠寄りのレンズを使えば背景が写り込む範囲も狭くなり、ゴチャゴチャした部屋でも背景がうるさくならずに済みます。あまり明るくない室内でも、内蔵のWebカメラのようにノイズが多く見づらい映像にならず、きれいな映像で写してくれるのも見逃せません。

  • 45mmのレンズを装着したfpを用いた映像。多少ピントが外れてしまったが、一般的なWebカメラとは明らかに違う映画のワンシーンのような仕上がりに驚く。奥に見える部屋も、ほどよくボケてくれた

画質面以外にfpを使う大きなメリットだと感じたのが、三脚を使えばアングルが自由に変えられること。内蔵のWebカメラでは正面からの構図に固定されるのに対し、角度を付けたり下方向からのアオリ、真横からなど柔軟に変えられるので、雑誌のインタビューカットのような構図で会議に臨むのもイイと思います。

  • こちらが内蔵のWebカメラを用いた映像。真正面しか写せないので平面的な印象になるし、背後にあるものも結構しっかり見えてしまう

一般のWebカメラと異なるのが、ピント合わせの必要が出てくること。オートフォーカスにも対応しますが、背景によってはピントが人物に合いにくくなる場合があるので、基本はマニュアルフォーカスのほうがよいと感じます。ピント合わせは面倒ですが、多少ピントが外れてもWeb会議の用途では問題ないので、ざっくり合わせればよいでしょう。

fpをWeb会議で使うにあたって重要となる電源については、おおむね2時間は持たない程度でバッテリー切れになってしまいます。1時間や1時間半ぐらいの会議ならば1本のバッテリーでも持ちますが、長丁場の大事な会議ではバッテリーの代わりにACアダプター「SAC-7P」(実売価格は税込み6,600円前後+ポイント10%)を利用するのがよさそうです。