幅広いズーム域をカバー「限界値まで追い込み」

レンズは焦点距離が16mm(35mm判換算時、以下同)、24mm、70mmの3種類という点もこだわり。ズームレンズの定番とも言える16-35mm、24-70mm、70-200mmの大三元、小三元と呼ばれるレンズのズーム域をカバーしています。

それぞれの間はデジタルズームですが、これをレンズ交換するように切り替えて撮影するのがXperia 1 IIのスタイルです。F値はそれぞれF2.2、F1.7、F2.4と、いわゆる「通し」ではありませんが、それぞれのレンズ特性の中で限界値まで追い込んでベストな設定にした、という力の入れようです。

  • 3つの焦点距離のトリプルカメラ。ズームレンズとして定番の画角をカバーします

【動画】レンズ交換するように、3つのカメラをタップで切り替えてズームします(開発時の画面です)

暗い場所の画質が向上、精細感もアップ

各カメラでのセンサーは画素数を揃え、それぞれ約1,200万画素(超広角:約1,200万画素+メイン:約1,200万画素+望遠:約1,200万画素)。メインと超広角カメラはデュアルPD AFセンサーを採用し、望遠カメラは一般的な像面位相差AF。メインと望遠カメラには光学式手ブレ補正を搭載します。すべてのカメラで、人や動物の瞳をオートフォーカス追従する瞳AFに対応するのが特徴です。

センサーの概要を説明したところで、早速作例を見てみましょう。前モデルXperia 1と、Xperia 1 IIで暗所撮影時の四隅の画質を比較したものです。

  • 【写真上・Xperia 1 IIで撮影、写真下・Xperia 1で撮影】こちらは前モデルXperia 1と、Xperia 1 IIで暗所撮影時の四隅の画質を比較したものです。背後のビルの精細感が違って見えます(ソニーモバイル提供)

  • 【写真上・Xperia 1 IIで撮影、写真下・Xperia 1で撮影】拡大してみると、センサーサイズとピクセルピッチの大型化で暗所撮影時の画質が向上していることがわかります(ソニーモバイル提供)

急旋回する馬も撮れる、秒20コマの高速連写

「高速性」も、Xperia 1 IIの特徴のひとつ。αシリーズで培った技術を盛り込んだという高速撮影性能として、「AF/AE追従連写で秒20コマ」、「リアルタイム瞳AFで人物、動物対応」という2つが主な機能として挙げられます。

一般的に最初の1枚目の露出、ピント位置に固定して連写した方がより高速に連写できます。しかし、被写体が動いていると、ピント位置や露出が適正なものにならなくなってしまいます。

これに対して、連写でも1枚ごとにピント合わせや露出合わせを行うのがAF/AE追従連写です。Exmor RSセンサーや画像処理エンジンBIONZ X for mobileによる高速処理で、Xperia 1 IIではαの最上位機種「α9 II」と同じ秒20コマのAF/AE追従連写を可能にしました。

  • 急旋回する馬もバッチリ撮影。秒60回のAF/AE演算を行い、秒20コマのAF/AE追従連写を実現しました

これを実現したのは、1秒あたり60回というAFとAEの演算処理です。普段は秒30回でAF/AEの演算を行っていますが、シャッターボタンを半押しするとこれが60回に倍増。単純計算で1コマあたり3回の演算を行っており、秒20コマでもAF/AEが追従してくれます。ちなみに、この高速処理はメインカメラで、残る2つのカメラでは秒30回の演算になり、AF/AE追従連写は秒10コマとなります。

近距離撮影が得意、動くネコチャンの瞳も追える

この高速演算を生かした機能がリアルタイム瞳AFです。これまでの「顔認識」ではなく、さらにその細かな瞳にAFを合わせることで、さらにピント精度が向上します。

αにも搭載されている機能で、Xpeira 1では人物のみでしたが、Xperia 1 IIでは動物の瞳AFにも対応しました。イヌ科とネコ科の動物に対応しているそうで、αとは学習データを変えていて、スマートフォンでの撮影シーンを想定しているとのことです。

  • 人だけでなく動物にも対応したリアルタイム瞳AF

例えばαでは望遠レンズで遠くの野生動物を撮影することも想定していますが、Xperia 1 IIでは日常でのペット撮影のような、近距離での撮影に重み付けをした学習をしているそうです。子ども、ペットの犬や猫のような不規則に動く被写体も撮影しやすくなります。

【動画】動物に対する瞳AFの動作例(開発時の画面です)