驚くほどの没入感が得られるディスプレイ

4.7インチのRetina HDディスプレイは解像度や画素密度、コントラスト値や再現できる色域性能、輝度ともにiPhone 8と変わっていません。ただひとつ、iPhone SEから大きく変更された点があります。ブラック/ホワイト/ (PRODUCT)REDのすべてのカラーバリエーションが、ディスプレイの周囲に黒いベゼルを採用したことです。特に、ホワイト系のカラバリモデルにブラックのベゼルを採用したiPhoneは、最初期のiPhone 3GS以来ではないでしょうか。

ベゼルの色がブラックになると、映画や写真を画面に表示した際に高い没入感が得られます。iPhone 8は、黒いベゼルの選択肢がスペースグレイの1色のみでした。白いベゼルのほうがデザインの面では優しい印象に見えるかもしれませんが、iOS 13から採用されている「ダークモード」との相性を考えても、やはり圧倒的にブラックベゼルの方が引き締まった印象に見えてよいと思います。

  • iPhone SEは、ホワイトのカラバリモデルもブラックのベゼルを採用。動画や写真を表示したときに高い没入感が得られます

動画コンテンツの再生は、Dolby Atmosや空間オーディオ再生に対応しているiPhone 11シリーズのほうが、豊かな音の広がりと立体感においては優れていると思います。iPhone SEは、ホームボタン側のスピーカーが横向きに搭載されているため、スピーカーで再生した時の音の定位感もやはりiPhone 11 Proのほうが鮮明に聞こえます。iPhone SEを使ったビデオ通話の際、相手の声が少し聞きにくく感じられた場合は、AirPods Proを接続すると音声の左右バランスがよくなるので、長時間のミーティングも聴き疲れしないでしょう。当然、ノイズキャンセリング機能により周囲の騒音が遮断されるメリットもあります。

  • iPhone SEはボトム側のステレオスピーカーが強力。本体を横に傾けて内蔵スピーカーで音声を楽しむ際は、Dolby Atmosや空間オーディオに対応するiPhone 11シリーズのほうがナチュラルな包囲感が得られます

  • iPhone SEとAirPods Proの相性は抜群。ビデオ通話の際は相手にクリアな声を届けられるので、ぜひ一緒に使うと良いでしょう

Rakuten UN-LIMITも使えた!

先日、「iPhoneやiPad Proでも使える? 『Rakuten UN-LIMIT』導入記」の記事で、楽天モバイルが提供を始めた「Rakuten UN-LIMIT」のプランがiPhoneでも使えることをレポートしました。iPhone SEにもRakuten UN-LIMITのSIMを装着してみましたが、iPhone 11 Proと同じく筆者の環境では特別な設定をしなくてもRakutenネットワークにつながり、4G LTEネットワークによる高速通信が快適に利用できています。

  • iPhone SEにRakuten UN-LIMITのSIMカードを装着したところ、無事に使えました

コンパクトで高性能、しかもシンプルに使えるiPhone SEは、これから初めてスマホを使う方にも親しみやすい端末になると思います。Apple Payによる電子決済やモバイルSuica定期券が使えることも、ぜひ教えてあげたいところです。

  • iPhone SEは、Qi規格に対応するワイヤレス充電パッドによる充電に対応しています。パッドにポンと置くだけでチャージできるワイヤレス充電は、一度試すと便利さが痛感できます

筆者もiPhone SEを購入しました。データ使い放題のRakuten UN-LIMITのプランを活用して、外出時にApple MusicやNetflixをデータ容量の制限を気にせず使い倒せる“2台目のiPhone”として活用したいと思ったからです。

もっとも、新型コロナウィルスの感染拡大の影響がまだ収束する気配が見えないため、今後しばらくは家の中でWi-Fiにつないでさまざまなコンテンツを楽しむ生活が続くと思います。iPhone SEはWi-Fi 6にも対応しているので、ネットワーク接続の品質も安定しています。本体はIP67相当の防水対応なので、浴室でテレビやYouTubeを見るのもOK。自宅にこもりながら、新しいiPhone SEの底力に心打たれる発見が数多く得られることを期待したいと思います。