AIoT家電への影響、「改善策を検討中」。冷静に待ちたい

ネット上では、「マスク販売のために(COCORO MEMBERSとは別の)専用サイトを立ち上げればよかったのでは?」という声が散見されます。筆者も、今回のマスク販売の影響の大きさを見ているとそう感じてしまうところがありますが、もし別の販売サイトを立ち上げるとなれば、システム構築と運営には追加のコストが発生することは避けられず、運用開始まで時間がかかればマスク販売の開始タイミングも遅れることは容易に想像がつきます。

また、COVID-19の世界的な感染拡大の影響で平時よりも需要が高まり、価格が上がったマスクに、新たな販売サイトを立ち上げることによるコストを付加するわけにもいかないと考えられます。

シャープのマスク生産は「企業としての社会貢献」であり、異例ずくめの状況の中で始まった取り組みです。同社は2月28日にマスクの生産を決定し、そこから政府や鴻海(ホンハイ)精密工業などのサポートを受けながら、わずか1カ月で生産を開始。可能な限りマスクが必要とされるところへ提供できるよう、まずは政府への納入を優先した上で、個人向けの販売にこぎ着けました。

毎日マスクの在庫を補充し、購入日を含めて3日間再購入できなくする仕組みを導入するなど、ここまでの動きは非常に迅速でした。AIoT家電についても、マスク販売のたびにユーザーへの影響が出ては困ってしまいますが、シャープ広報は「詳細を現在調査中で、改善策を鋭意検討中」とコメントしています。

現時点でマスク販売はまだ再開されていませんが、シャープが一人でも多くの人にマスクを届けるためにどのような対策を取るのか、いち消費者としてはまずは冷静になって待ちたいものです。

【4月23日19時30分追記】シャープは、直販サイトでの個人向けマスク販売を抽選方式に変更すると発表しました。

  • シャープ、マスク販売再開急ぐ

    (画像提供:シャープ)