こちらが本職、NASに搭載するとどうか?
次はNASに搭載した場合の動作をチェックしたい。使用したNASはSynology DiskStation DS220j。2ベイモデルなので、IronWolf Pro ST16000NE000を2台搭載し、RAIDはSynology独自のSHRで構築した。
データ転送速度のテストはDS220j内の共有フォルダをネットワークドライブとしてマウントし、「CrystalDiskMark 7.0.0h」を実行した。
DS220jはエントリーモデルではあるが、シーケンシャルリードはギガビットイーサの限界速度になる110MB/秒前後を出しており、十分なパフォーマンスが出ていると言える。PC接続よりも4KiBのランダムアクセス速度が高いのはDS220jによるキャッシュが効いているためだ。
高性能なHDDだと温度も気になるところ。PCから約73GBの大容量データを連続してDS220jにコピーを実行してみた。背面にあるファンの動作モードは低速の「低ノイズモード」に設定している。室温は約20℃前後。
1台の温度は変化せず、もう1台の温度も1℃上昇しただけだった。これならばバックアップに大量のデータをコピーしても安心と言える。
なお、DS220jはIronWolfシリーズの「IHM」(IronWolf Health Management)に対応し、HDDの詳細なパラメータを確認できるが、IronWolf Pro ST16000NE000はまだ未対応だった。今後のアップデートで対応されることだろう。
データ容量が大きいだけに、信頼性は大切
ここまでIronWolf Pro ST16000NE000のテストを行ってきたが、HDD最高クラスの性能そして耐久性を備えているのが大きな魅力と言える。例えば、作業負荷率制限(この容量の読み書きが行われると故障率に影響されるという指標)を見てもIronWolf Proシリーズは300TB、BarraCudaシリーズは55TBと5倍以上のスペック差がある。いかに信頼性を重視した設計なのかわかるはずだ。
16TBもの容量になると、万が一HDDが故障したときの損失は恐ろしく大きいものになる。大切なデータを扱うなら、信頼性が高いものを選びたい。そのときにIronWolf Pro ST16000NE000は有力な候補なってくれるはずだ。