5GHz帯のチャンネルは爆速!
通信速度の面でよりパフォーマンスが高い5GHz帯のチャンネルに切り換えてから、もう一度iPhone 11 Proで実測してみました。
場所 | 速度(下り) | 速度(上り) |
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リビングルーム | 207.87Mbps | 8.68Mbps |
南側寝室 | 247.25Mbps | 8.28Mbps |
北側作業部屋 | 180.45Mbps | 9.74Mbps |
北側玄関 | 139.88Mbps | 9.26Mbps |
浴室 | 251.30Mbps | 9.87Mbps |
特に目を引くのが、ダウンロードのスピードが2.4GHz帯のチャンネルを選んだ時よりも2~6倍も速くなったこと。アップロードのピーク速度は以前のルーターと変わっていないようにも見えますが、時間帯を変えて計測してみると、Wi-Fi 6ルーターは常時安定して同様の数値を出せました。
iPad ProによるApple TV+のコンテンツダウンロードも快速
続いて、Apple TV+の「レポーター・ガール」の第1話(54分)の動画をiPad Proにダウンロードするために必要な速度を測ってみました。Apple TV+のアプリ設定で、Wi-Fiダウンロードの品質を「高速ダウンロード」(データ容量を抑えてダウンロードスピードを優先)に選んでいます。
ファイルサイズが約1.1GBになるコンテンツをダウンロードするのに、以前の環境では通信が混み合っていない時間帯でも10分30秒前後はかかっていました。RAX80の5GHz帯のチャンネルを選択してリビングルームでダウンロードしたところ、約1分27秒でダウンロードが完了してしまいました。出かける前に急いでiPhoneやiPadにダウンロードしたいような時に、Wi-Fi 6の底力が発揮されそうです。
わが家の間取りでは、筆者が作業部屋にしている北側の部屋もリビングルームから離れており、間に何枚かの壁を隔てています。それもあり、これまでWi-Fiストリーミング環境を必要とするオーディオ・ビジュアル製品の視聴テストを行うための部屋としてはふさわしくありませんでした。しかし、Wi-Fi 6対応ルーターを導入してからは下りスピードが安定して150Mbps以上も弾き出せていたので、仕事場のレイアウト変更にもチャレンジしてみたくなりました。
家族が一斉にネット接続しても安心、在宅ワークもストレスなし
新型コロナウィルスによる感染防止策のため、社員に在宅ワークを推奨する企業も多くあります。不慣れな在宅ワークをこなすために、机と椅子を用意して作業スペースは何とか確保したものの、Wi-Fiルーターを置いている部屋から離れているためインターネットが遅くて困っている…という声もよく聞きます。Wi-Fi中継器を導入すれば解決できる場合もありますが、子どもの自宅学習やNetflixの視聴でiPadを使っているなど、1台のWi-Fiルーターに同時接続されている機器が増えれば、ネットワークのパフォーマンスが落ちる原因にもなります。集合住宅の場合は、隣近所に設置されたWi-Fi機器に影響を受けることも考えられます。
筆者宅にはギガビット速度の回線を引いていませんが、それでもWi-Fi 6対応のルーターによってインターネット環境が速度・安定感ともに劇的に向上する手応えが十分にありました。Wi-Fi 6に変わることで、iPhoneやiPad Proのバッテリーの持ちが変わる実感は、もう少し使い込んでみないと分かりません。
Wi-Fiで接続している4Kテレビで観るNetflixの映画やドラマの画質が安定したことも大きな収穫です。以前は、時間帯によってはせっかくの4K制作のコンテンツがフルHD画質に落ちてしまうこともありました。Wi-Fi 6対応の通信環境を整えてからは、4K画質の魅力に家族も気が付いて、夕食後のシアター鑑賞がますます楽しみになりました。
この春から、国内でもモバイル通信の5G商用サービスがスタートしましたが、5G通信の恩恵が受けられるエリアはまだまだ限られています。Wi-Fi 6のメリットは、iPhone 11シリーズや新しいiPad Proと、今回紹介したRAX80のようなWi-Fi 6対応ルーターさえそろえれば、安定した高速通信のメリットをすぐ実感できるところにあります。在宅での仕事や学習をはかどらせるためには、何よりWi-Fi環境の整備が重要だと実感しました。これからスマホやルーターの買い替えを検討するのであれば、少し高価でも「Wi-Fi 6対応」が製品選びのポイントの1つになりそうです。