●ふたりだけの世界になったユニット曲
――続いて、楽曲のことについても教えてください。まずはそれぞれのソロ曲について。
茜屋 まりあのソロ曲「シアワ星かわいい賛歌」は、ぜひ未来の音楽の教科書に載せたい曲です。
――なるほど(笑)。その心は?
茜屋 歌詞は一見、不思議な言葉ばかりで「おっ?」と戸惑うのですが、よく見るとすごくいいことを言っているんですよ。例えば、「全人類みなシアワ星人」や「全人類みな平等にかわいい」の部分。字面は面白いのですが、心に響く歌詞でもあるんですよね。こういうのはどんなにつらいことがあっても、「かわいい」と言い続けているまりあの魅力が表れている部分でもあります。
徳井 すずのソロ曲「キューティ・ブレイキン」は、かっこいい成分100%の曲です。彼女の夢に向かう情熱が表現されているので、聞いた人の背中を押せる曲にもなっているんじゃないかな。私としてはこんなにかっこいい曲を歌う機会があまりなかったので、レコーディングを楽しみにしていました。特にラップパート。元々好きでやってみたかったのですが、思っていた以上に上手にできました。
茜屋 さすがです!
徳井 ライブでも一度披露したことがあるのですが、テンポも早いし噛んだら終わりなので、かなり緊張しました。でも、最高に上手くいきましたね。今日くらいは自画自賛しておこう(笑)。
――自画自賛できるくらい上手にいったということですね(笑)。今度は、「リングマリィ」としてのグループ曲「インディビジュアル・ジュエル」の聴きどころについても教えてください。
茜屋 この曲は「プリパラ&キラッとプリ☆チャンAUTUMN LIVE TOUR 2019 ~キラッと!アイドルはじめる時間だよ!~」の大阪公演で一度披露したのですが、その時のことがすごく印象に残っています。特に落ちサビのまりあのパートから、すずちゃんのパートへいく部分。すずちゃんが台の上から、まりあが台の下で歌ったのですが、あの瞬間に、ふたりだけの世界になったんですよね。客席を無視という訳ではないのですが、シャットダウンしてふたりだけの空間になったと感じられました。
徳井 私もライブでの印象が強く残っています。本当に「かわいい」に包まれた茜屋さんと目と手を合わせながら歌えたときは、感極まりました。うるうるとしながら歌った記憶があります。あと、この曲では、すずはかっこよくポーズを取って、まりあちゃんはかわいくポーズをとるところがあるんですよ。でも、それが決してバラバラだとは感じない。お互いブレていないけども、かみ合っているというのが素敵だなと思いました。
●理想のアイドル像を語る
――先ほど「プリパラ&キラッとプリ☆チャンAUTUMN LIVE TOUR 2019 ~キラッと!アイドルはじめる時間だよ!~」のお話がありましたが、改めてこちらの感想についてお聞きしたいです?
茜屋 まりあとしては初めてのステージだったので、すごく緊張していました。悩んだのはまりあとしてのステージの立ち方。普段の自分はどちらかというと「かっこいい 」でステージに立っていますし、真中らあらのときは、「かわいい」よりも元気を前面に出していました。でも、まりあは元気を前面に出すのではなく、落ち着いて「かわいい」を出す子なんですよね。そういうギャップをひしひしと感じました。また、踊りが「はあはあ」と息切れするもので、技術的にも大変だった記憶が残っています。ソロの後にすずちゃんと合流して歌ったのですが、安心感が半端なかったですね。「すずさま!」って、声を出したいくらいでした(笑)。あの時は「やっぱり、ふたりでひとつなんだ」と感じましたね。
徳井 合流するとき、茜屋さんが走って飛び込んできてくれたんです! もうその瞬間「キュンキュンキューン! はい、かわいい!」ってなりました(笑)。
茜屋 はやく会いたかったんです!
徳井 あのときは滅茶苦茶トキメキました。安心感も半端なかったです。一方で、ソロのときはすごく緊張しました。このライブで初めて私のことを見る方もいるだろうし、大丈夫かなと思っていたのですが、皆さんがあたたかく迎え入れてくださって! それがとても嬉しかったですね。
――ご自身のライブパート以外で印象深かったパフォーマンスについても教えてください。
茜屋 悩ましいのですが、いつもライブ始まりで曲を披露してくれるランガちゃん(Run Girls, Run!)は、パフォーマンスがとにかくすごい。あんなに激しく踊りながらしっかり歌うことって、なかなかできないですよ。フレッシュだし、励まされますね。やっぱり、ランガちゃんあっての『プリ☆チャン』だなと思います。
徳井 「かっこいい」を求めるすずとしては、やっぱりさら様(緑川さら)のパフォーマンスが印象に残っています。演じるゆうきちゃん(若井友希)の歌声とパフォーマンスがすごくカッコよかったですね。すずも「さらさんに負けないように、もっとかっこよく!」と思っているところがあるので、その姿を目に焼き付けながらステージに立っていました。
――ここまで物語、楽曲などを中心にお話をうかがってきましたが、『プリ☆チャン』はアイドルがひとつのテーマとなっています。おふたりにとって、「これがアイドル!」という理想像みたいなものはありますか?
茜屋 これがアイドル……悩みますが、自分に自信があることは大事だと思います。私の周りで言えば、芹澤優がそうなんですけども、自信を持っている姿をみると「これがアイドルだな」って何となく感じるんですよね。私はどちらかと自分に自信がないほうなので、自分にはないものを持っている彼女が「すごいな」とも思います。
――まりあも「かわいい」に対して絶対的に自信を持っていますね。
茜屋 そうですね。憧れます。
徳井 アイドルは……やっぱり応援したくなるところがあるのが大事だと思います。パーフェクトじゃなくて、欠点があるほうが魅力的なのかもしれません。その欠点をみんなで補っていく。それが「アイドル」なんじゃないかな。
――すずも泳げないという苦手なことがありました。
徳井 そうですね! えもちゃんたちが応援してくれて、できるようになりました。すずもそうですが、アイドルはやっぱり「逃げない」ことが大切ですね。アイドルは逃げない!
茜屋 おぉ、名言! 心に刻もう。
――最後に、改めてふたりが感じる『プリ☆チャン』の魅力についても。
茜屋 『プリパラ』のときは日常で起きるいろいろな出来事がストーリーになっていましたが、『プリ☆チャン』になってからは、「やってみた」という要素が入ってきました。巨大なパンケーキを作るというのもそうですが、視聴者の方が「これをやってみたいな!」「私もやってみよう!」と思えるようなエピソードばかりなんですよね。それが『プリ☆チャン』ならではの良さだと思います。
徳井 アフレコ現場では私より年下の子が多いのですが、みんなしっかりしています。特に「ミラクル☆キラッツ」のメンバー。みんな芝居もちゃんとしていて、すごくいい雰囲気でアフレコに臨めました。あとは、ライブで親子のお客さんが見に来てくれたのが、すごく嬉しくって。あの時、子供の頃に感じた「かわいい」「ワクワク」を伝える側になったんだと、改めて思いました。こういうアフレコ現場やライブでの経験を経て、責任感も出つつ、自分も楽しみながらやれている。それ自体が『プリ☆チャン』の楽しさや魅力にも繋がっているんじゃないかな。
●「『キラッとプリ☆チャン』シーズン2 BD&DVDBOX3巻」
発売日:4月24日
収録話数:第76話~第87話
・価格
【Blu-ray BOX】
10,000円(税抜)
【DVDBOX】
9,000円(税抜)