――勇退決定後、みのさんとはお話はされましたか?
久本:はい、田中くんが後任と決定した後にお電話をさせていただきました。その前から勇退されることは聞いていたのですが、みのさんには次に向かっての思いとお礼の気持ちを伝えたいと思いまして。みのさんからは「田中くんとやるんだろ? 彼は本当に力があるから、良いコンビになると思うよ」と言っていただきました。最後の収録が終わった後も、「田中くんとの放送を楽しみにしてるから頑張って」とおっしゃっていただきまして、もう涙が出る思いでしたね。
――田中さんも以前みのさんと番組で共演されていましたが、引継ぎのあいさつなどは?
田中:いや、してないんですよね。もちろん、ごあいさつしようかとよぎるんですけど、それもちょっと違うかなと。もし気が向いたら番組を見てもらい、それで楽しんでいただけたらという思いしかないです。まぁ、みのさんは大きな方ですから、そんなにこだわりもないと思うんですよ。きっと「おぉ、いいね! 相変わらずやってるね!」くらいの感じで見ていただけると勝手に想像しています。それに、みのさんから後任が僕で「良いじゃない」と久本さんに言ってくださったという話を聞いてるだけでうれしいです。
――13年続いてきた『ケンミンSHOW』ですが、久本さんから見て、長く視聴者から支持されている理由は何だと思いますか?
久本:スタッフさんの違いだと思います。特番からレギュラーになったときは、うれしい反面、「ネタなんてすぐになくなって終わっちゃう」と悲観していました。でも、現在までネタが尽きないというのは、ひとえにスタッフさんの力だと思いますね。リサーチ力が半端ないです。以前、北海道へワハハ本舗の公演で行って、飲み屋街をベロベロに酔っぱらいながら後輩と歩いてたら、向こうのほうに撮影クルーが見えて。「何だろう?」と思ったら、雪の中、うちのスタッフがインタビューしてるんですよ。思わず「ちょっと―! 偉いね、後で飲みにおいで―!」って話しかけちゃいましたね。
田中:すごいですね、それ!
久本:いやほんとに、マジで感動したんですよ。たった数分のVTRのために、何日もああやってロケしてるわけですから。あの姿が今でも忘れられません。
――田中さんはいち視聴者として番組に、どのような印象をお持ちですか?
田中:食べたことないご当地グルメって、こんなにあるんだなと。つっちー(土田晃之)とか良いなって。「あいつ、ただ食ってるだけだろ!」「晩飯食いに来てるだけだろ!」と思いながら観ていました(笑)
■あの太田光も今回は応援?
――太田さんは、田中さんのMC就任にどんな反応でしたか?
田中:情報が解禁になった後のラジオで、「お前、“たなもんた”とか言ってるらしいな」「いや、言ってねぇよ!」とか、「久本さんのケツ触んだろ?」「いやいや、みのさん触ってないから!」とか、そんな話をしていました(笑)。あと、僕だけの仕事のときって、いつもは当たりが強いんですよ。でも、今回は太田も「『ケンミンSHOW』か。すげぇな。とりあえず頑張って」という感覚があるのかどうか知らないですけど、何か違うんですよね。
久本:優しいんだよね、当たりが。
田中:そうなんです、ちょっと優しいんです(笑)。いつもだったら「お前よぉ!」「調子乗んなよ!」ってすごい言われるんですけど、今回はあまりないですね。静観している感じです。ただこれ、オンエア始まったらわからないですよ。僕の1人の番組は全部チェックするので、あいつは(笑)
久本:太田くんは、きっと、うれしいんじゃないですかね。伝統ある番組で自分の相方がみのさんの後をやるというのは、悔しいけど、うれしいんだと思いますよ。
――奥様の山口もえさんは何とおっしゃっていましたか?
田中::「実は…」と話したら、「え~?大丈夫~?」と言っていました。おそらく、『ケンミンSHOW』という伝統ある番組で、ましてやみのさんの後というので、自分の旦那が叩かれたら嫌だなという思いが先に出ちゃったんでしょうね。「ちゃんと、オンエアいっぱい見て、勉強しておかないと…!」って心配してくれましたね。
――他に、印象的だった周囲の反応は?
田中:デーブ・スペクターが「出してくれ」と言ってきたので、「おめぇ、何県なんだよ!?」「シカゴのときがあったら出してやる」と伝えておきました(笑)。
――では、最後に番組への意気込みをお願いします。
久本:新たにリニューアルするということで、新たな発見を視聴者の皆さんにお届けしていきたいです。そのためにも、田中くんと化学反応を起こして番組を盛り上げていけるよう、懸命に頑張ります。
田中:今は、ワクワクと不安が入り混じった転校生のような気持ちですね。とりあえず、「みのさんの後だから」と気負い過ぎず、久本さんと楽しくやっていくということだけを考えていきます。あとは出たとこ勝負。やってみないとわからないですね。