■「ドラマはすごいありがたいです」

――なるほど。塙さんご自身は、ドラマの経験が漫才に活きていると感じますか。

それは間違いないですね。現場にいると刺激になるし、ドラマとかもすごい見始めました。漫才しかやってないと、上手くはなるけど、結局細くなってく気がするんですよ。本業は漫才師なので、ドラマでいろいろ経験して、1つでも得るものがあれば、漫才の表現力も上がるかなって。ドラマはすごいありがたいです。

――そういえば、この前の独演会でも、ドラマをモチーフにしたネタがありましたね。

めちゃくちゃ『捜査一課長』のネタやってましたよね(笑)。まあ、そういうことではないんでしょうけど、そういうことですね。

――最近では、マクドナルドのCMにも出てましたね。

これはビックリしましたね。木村(拓哉)さんや唐沢(寿明)さんも出ている中でですから。担当者の方も『捜査一課長』見てたんじゃないですか、やっぱり。

――演技でもご活躍される塙さんに対して、相方の土屋さんはどのような反応をされてますか。

基本的には、特になにも言ってこないんですが、おそらく僕が『捜査一課長』の撮影があることでその分、自分の時間が増えたからか、趣味でやっていた「消しゴムサッカー」を急にYouTubeにあげはじめてます(笑)。

――塙さんがドラマに出られていることで、漫才の舞台数などに変化はあるんですか。

実は、舞台の数は減ったんですよ。だけど、俺はそういう時期があってもいいと思っています。年間400、500回やってることを売りにしていた時期もあるんですけど、70、80歳になっても一生漫才をやるわけですから、40代はいろんな経験をしようと。漫才師というイメージはあると思うので、今はそんなに舞台の数は気にしてないです。

■内藤剛志からのアドバイスは「1回もない」

――ところで、ドラマの現場では普段、どのように過ごしているのですか。漫才の舞台前などとも過ごし方が違うと思いますが。

控室がある場合は、TVerでドラマばっかり見てます。あとは、内藤さんがいらっしゃれば、基本的にはずっと話してますね。内藤さんが出ている作品を結構見たりしているので、「あれ、面白かったですね」とかっていう話です。

――内藤さんから演技のアドバイスをされることはありますか。

内藤さんは1回もないんですよね。「それをするのは、演者ではなく、監督などがやることだから」という考え方だからじゃないですかね。だから内藤さんは誰に対しても言わないですよ。

――逆に塙さんから質問することはあるんですか。

同じくらいのレベルだったら、内藤さんも話が合うと思うんですよ。でもこちらはまだ全然下だから、聞けないし、聞くことも分からない。芸人でも『M-1』の1回戦で落ちてるのに「あの人ってこうっすよね」って言うヤツいるんですよ。同じレベルの感じでしゃべってくるけど、お前はまだなにもできてないからって。そんなヤツみたいになりたくないので、なにも言えないですよ(笑)。

――それでは最後に、塙さんの演技で注目してほしいところをお聞かせください。

感情が動いている、表情でそれを表すというのに挑戦しています。正直に言えば、去年、一昨年はロボットでした。3年目にいよいよ人間らしく、感情を持つようになってきているので、ロボットが進化したと思って見ていただければと思います(笑)。

  • ■塙宣之
    2001年、ボケの塙、ツッコミ・土屋伸之によるお笑いコンビ・ナイツを結成。2008年~10年「M-1グランプリ」決勝進出、「THE MANZAI 2011」準優勝など、受賞多数。コンビとしてTBSラジオ『土曜ワイドラジオ TOKYOナイツのちゃきちゃき大放送』などに出演中。また塙は、2019年に『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』(集英社新書)を出版した。

  • ■テレビ朝日系木曜ミステリー『警視庁・捜査一課長2020』(4月9日スタート/毎週木曜 20:00~ ※初回は2時間スペシャル)
    初回2時間スペシャルは 忖度しない新時代の刑事・三吉彩花が、捜査チームに加入! エイプリルフールにウソをついたら殺された…!? フェイクニュースを担当する新聞記者が、遺体で見つかる事件が発生! 被害者の無念を晴らすため、一課長が“ホシをあげる”!
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