■総評 危険運転の被害に関するアンケート結果

調査の結果、あおり運転など、危険運転の被害に遭ったことがある人は56.2%と、半数以上の人が危険運転の被害者であることがわかった。

どのような危険運転の被害だったかを聞いたところ(複数選択可)、最も多かったのは50.3%の人が挙げた「背後からあおられ挑発・追跡された」となった。以下、2位「パッシングされた」(39.3%)、3位「幅寄せされた」(32.4%)、4位「不必要な急ブレーキをかけられた」(28.3%)、5位「左車線からの急な追い越しをされた」(27.2%)と続く。

次に、危険運転の被害に遭った時の状況を聞いた(複数選択可)。1位は「思い当たることがない」(43.4%)となり、多くの人が特に理由のない、理不尽な状況で被害に遭っていることがわかる。2位以下は、2位「車線変更をしたとき」(25.4%)、3位「追い越しをしたとき」(19.1%)、4位「信号待ちから発進したとき」(15.6%)、5位「周囲よりも遅い速度で走っていたとき」(14.5%)など、ことの是非はともかく、相手との何らかの関わりの中で問題が起こっていることが明らかとなった。

危険運転の被害に遭った際、どのように対処したかに関しては、43.9%が「何もしなかった」と回答。無用なトラブルを避ける意味でも、これは賢明な態度と言えるだろう。以降も、2位「道を譲る」(31.2%)、3位「他の道に逃げる」(19.1%)、4位「コンビニなどの施設に避難した」(11.6%)、5位「路肩に停車した」(11.0%)など、相手との接触をできるだけ避けている様子がうかがえる。さらなるトラブルが生じる可能性がある「反論した」(6.4%)や「スマホで撮影した」(4.0%)は、いずれも少数意見となった。

最後に、どのようにすれば、あおり運転などの危険運転が無くなるかを聞いた。目立った見解としては、「ドライブレコーダーなどの機器を充実させる」「一人ひとりの意識やマナー、モラルを高める」「法規制や罰則を厳しくする」などが挙がった。

ドライブレコーダーや車載カメラの普及以降、危険なあおり運転や、それに付随する暴力行為などが可視化されたこともあり、ある程度の抑止力として機能している現状がある。全車にドラレコ搭載が義務化されることで危険行為が抑制できるのでは、とする人は多い。

同様に罰則の厳罰化なども、一定の効果は見込めるだろう。今回の道路交通法改正案には大きな期待が寄せられる。これらとドライブレコーダー搭載の義務化と組み合わせることで、相乗効果を発揮するというコメントもかなりあった。

運転マナーやモラルの向上については、「あおる行為は悪いが、あおられる方にも問題がある」とする意見が複数あり、興味深い。他人の拙い運転でイライラした体験が反映した回答かもしれない。

その他の意見では、「自動運転の普及に期待」という見解もあった。確かに全自動運転が浸透すれば、これら危険運転に関する問題はおおよそ解消するだろう。ただその際は、これまでの「運転する喜び」や「ドライブを楽しむ」といった感覚も、大きく変わっていくのかもしれない。

調査時期: 2020年4月2日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 303人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

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