ケース3:金髪や派手なネイルで出社
【職場の女性は皆、黒髪でネイルもしていないのに、金髪で派手なネイルを付けて出社する】
これは本来的には自由であってよいテーマだと思います。仕事の成果に直接影響しないことを強制することは、個人の権利との関係で難しいところがありそうです。最近は服装や髪型などかなり自由にやっている組織も増えていますが、日本はみんなと違うことはよくないと考える傾向も根強く、この問題はダイバーシティのテーマでよくぶつかる課題と思います。
しかし、仕事に影響が出る場合は別です。例えば、「派手なネイルだと作業が遅れるような仕事」「相手にあたると危険な仕事」などは、明確な理由がありますからルールとして伝えていくことは可能です。それ以外の場合は、なるべく自由度を拡げていくほうがメンバーの満足感も高まり、定着やパフォーマンスもよくなっていくのがこれからの時代じゃないかと思います。
ケース4:勝手な理由で歓迎会を拒否したり有休を取ったりする
【自分の歓迎会なのに「ライブに行くので」と開催を拒否したり、「ハマってるゲームを早くクリアしたいんで」と有休を取ったりする】
上司や先輩世代には理解しがたいかもしれませんが、彼らにはその選択をする権利があります。新人からすれば「なぜ自分の時間を削ってまで、そんなことをしなければならないのか」と思うケースもあるでしょう。業務時間外の予定は断ることができますし、有休を取得するのに理由は必要ありません。
それを前提に、「なぜ歓迎会に出たほうがいいのか」「なぜその日の有休を避けたほうがよいのか」、理由や意図がある場合は、コミュニケーションが大事になります。新人にも「役に立ちたい」「職場の人と良好な関係を築きたい」という気持ちはあります。「普段はあまり交流できない人にも紹介できるから、歓迎会に来てくれると嬉しい」「今、部署としてとても重要な時期だから、この日は出社して協力してくれないか」など、意図をしっかり伝えれば、わかってくれる人もいますよ。
すべてのケースに共通していたのは、新人を否定せずに「なぜそう思っているのか」をまず聴くこと。そこに必ずよりよくしていくヒントが隠されている。そして、新人がモンスターに見えていても、向こうから見ればこちらが「モンスター上司」「モンスター先輩」になっていることもある。「自分とは違う価値観なんだ」と相手を理解することが、モンスターのいない職場へとつながるのではないだろうか。