『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』

【通称】「ザム2」「EOS」「エンスカ」
【名台詞】「つまり〜! それが〜! SWORD協定じゃ〜〜!」「神に感謝しろよ?」「琥珀さん、俺車ダメだわ」「隠蔽できるんだよ……!」

狂気の暴君が率いるスカウト集団と、監獄から出てきたばかりの男たちによるチームがSWORD地区に現れ、街が再び狙われる。さらに『RED RAIN』で露わになった反社会組織の陰謀が進み、緊張が高まってゆく。

「ザムはそんなにピンとこなかった」と言っていたオタクの中には、本作で新たに登場したキャラクター・ジェシーによって沼落ちした人も少なくない。EXILE/三代目 J SOUL BROTHERSのNAOTOが演じるジェシーは、監獄の武闘派集団を率いてSWORDをかき回す、神に感謝したくなるほど魅力あふれるキャラクターだ。クライマックス手前で口にする「お仕事ですからねぇ。make money〜」というセリフは、公開当時よくTwitter等で語られたが、実はこれはNAOTOによるアドリブだという。役者たちによるキャラクター解釈の深さと、そこから生まれるアドリブの豊富さは『HiGH&LOW』の魅力のひとつだ。

なお、こちらもTwitterでgif動画がよく出回っているコブラvsジェシーの超絶アクションがあるのも本作。さらに、カーアクション、バイクアクションも近年の邦画では類を見ない大掛かりなものが展開されており、その派手さはシンプルに興奮させてくれる。そして何より、物語の鍵を握る"USB"の異様な存在感からも目が離せない。

『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』

【通称】「ザム3」「FM」
【名台詞】「もう拳だけじゃ解決できねぇ」「まずそうなスムージーだな」「無名街爆破セレモニー」

前作までで見えてきたSWORD地区をめぐる巨大な陰謀に、SWORDの面々たちが立ち向かう。言ってしまえば「ヤンキーたちの喧嘩」だったドラマシリーズおよび『THE MOVIE』から、シリーズを追うごとに広がっていった物語は、「SWORD第1世代の最終章」と銘打たれた本作でいったんの終結を見る(ただし久保茂昭監督は「第1世代の物語も、まだまだ終わりじゃないと僕は思ってます」と後に語っている)。

予告編ではコブラが生コンクリートと思しきものを飲まされている拷問シーンが公開され、「生コン!?」と界隈をざわつかせた。のちに岩田自身が「あれはごま豆腐を使ってます」「おいしかったです」と撮影秘話を明らかにし、ファンが胸をなでおろす一幕も。

「もう拳だけじゃ解決できねぇ」という名台詞が登場する本作は、その言葉通り、これまでの作品に比べればアクションシーンの見せ場は少ないと言えなくもない。とはいえ、雨宮兄弟のゼロレンジコンバットが炸裂したり、『EOS』から立ちはだかる敵役・源治(小林直己)のターミネーターぶりが健在だったりと、随所に見どころがある。シリーズを通じたキャラクターたちの成長や変化も“喧嘩の仕方”に現れており、一挙視聴するからこそ気づきやすい部分もあるだろう。

なお、本作最大のパワーワード(?)といえば、「無名街爆破セレモニー」だ。未見の人にとっては意味がわからないばかりの言葉だが、何を表しているのか、これこそぜひ映像で観てほしい。

今後見るべきは…

ここまでくれば、あとはライブ『HiGH&LOW THE LIVE』を観るもよし、スピンオフ映画『DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW』やドラマ新シリーズ『HiGH&LOW THE WORST EPISODE.O』を観るもよし、進む道は何にも縛られることなく自由である。

2020年4月1日から4月12日までの期間限定で行われた無料配信は「ご家庭で過ごす時間が多くなっている全国の皆さまに少しでも楽しんでもらえる時間を提供し、 日々の不安を拭い去ることに貢献したい」というLDHの思いによるものだ。コロナ禍が過ぎ去ったあかつきにまたLDHから新たな作品が生み出されること、それを観ることを今は楽しみにしたい。それまでしばらくは自宅でPARTY TIMEを過ごすのが良さそうだ。