5Gの電波を探して端末片手に屋外へ
ここから、実際の使い勝手についてレポートしていきましょう。
まず試したのは、トリプルカメラの実力です。表示バーをスライドすることで、ワイド→標準(等倍)→3倍→10倍→20倍までズームを変更できる仕様でした。
このなかで、特に使用頻度が高そうに感じたのがワイド撮影。通常のスマホではフレームに収まり切らないとき、例えば大きな建物を撮ったり、大人数で集合写真を撮影したりといったシチュエーションで重宝しそうです。
動画は4K(16:9)、1080P(60fps、16:9)、720P(16:9)などの設定で撮影できます。個人的には動画撮影が好きなので、早速、フルHD画質(60fps)で歩きながら撮ってみました。
もちろん手ブレするわけですが、撮影後にプリインストールされているアプリのGoogleフォトで「スタビライズ」をかけると、見事に手ブレ補正できました。ZTE Axon 10 Pro 5GはCPUがハイスペックなので、このような動画編集の際にも、快適な速度で処理してくれます。
AI(人工知能)カメラも使ってみました。カメラが「料理」「花」「植物」「風景」「建物」「ペット」「テキスト」……など被写体を自動認識して、最適な設定でシャッターを切れるモードです。何も考えずに良い写真が撮れるので、これは楽ですね。
画面内の指紋認証についても検証してみましょう。スリープ時に画面をタップするか、端末を持ち上げると指紋のマークが表示されるので、登録した指を合わせることでロック解除できます。
認証速度はかなり満足のいくものだったのですが、認証にコツが必要で、指の側面が多く当たってしまうと、ややもたつきました。欲を言えば、顔認証とダブルで利用できるとよかったかな(ZTE Axon 10 Pro 5Gは、顔認証には非対応です)。
最後に、気になっていた5Gについて、都内で実効速度を調べてきました。理論値では下り最大2.0Gbpsということですが、本当の実力は果たして?
計測した場所は、ソフトバンク銀座(銀座5丁目)。
ソフトバンク銀座の入り口、店内の数カ所で計測したところ、下り274Mbpsが最高記録でした。もっと速いかと思っていましたが、それでも4G LTEと比べれば数倍から10倍以上のスピード。サービスインしたばかりの5Gということで、まだまだエリアが狭いことは否めず、実効速度についてもこれからなのでしょう。2020年4月にはJRの東京駅から有楽町駅、新橋駅、浜松町駅の周辺へとソフトバンクの5Gエリアが広がる見込みで(全国規模で見ればまだまだごく一部ですが)、エリアの拡大とともに実効速度の向上も期待したいところです。日々刻々と状況が変化する通信ネットワークは「生モノ」とたとえられます。いつかまた、日をあらためて再挑戦したいと思います。
料金について
最後に料金について、軽く触れておきましょう。
料金プランは、3月12日にスタートした月額3,480円~の「メリハリプラン」適用がスタンダードな使いかた。対象の動画サービスやSNSが使い放題に加え、データ容量50GBがバンドルされています。
YouTube、Amazon Prime Video、AbemaTV、Hulu、LINE、Twitter、Instagram、Facebookなどのサービスをよく使う人にはうれしいサービスでしょう。なおデータ使用量が2GB以下の月は、月額料金から1,500円が割り引かれる良心的な内容です。
既述の通り、ZTE Axon 10 Pro 5Gは月額1,860円で利用を開始できます。そもそもの端末代金は税込89,280円(1,860円×48カ月)で、トクするサポート+特典Aを適用して25カ月目に機種変更した場合は税込44,640円(1,860円×24カ月)になる計算です(トクするサポート+特典Aは、次回の買い替え時に旧機種の回収・査定完了が必要)。
ソフトバンクでは5Gをスタートさせた3月27日にZTE Axon 10 Pro 5Gのほか、「AQUOS R5G」(シャープ製)も同時発売しています。そちらの端末価格は130,000円前後。またハイエンド機「LG V60 ThinQ 5G」の発売時期は4月下旬以降、「OPPO Reno3 5G」は7月下旬以降です。まだまだ電波は広くありませんが、ソフトバンクの5Gをいち早く体験したい人にとって、コスパに優れたZTE Axon 10 Pro 5Gは魅力的な端末といえるでしょう。