■『オールナイトニッポン』が改編なしだった理由

――2020年度の改編についてもお聞きさせてください。まず、1部の『オールナイトニッポン』は改編なしで、全曜日の番組が継続となりました。

『オールナイトニッポン』に関しては、僕らの今の基本的なスタンスとしては「続けられる限りは続けてほしい」というスタンスです。ただ、チーフの石井玄ディレクターが他のインタビューで話してましたが、「『青春の時間』を頂いている感覚」です。

その言葉の通り、アーティスト活動や俳優といった本業をされてる中で、物理的にしゃべりたいけど深夜の生放送が難しいなど、本業とのバランスが取れなくなることがあるわけですよ。でも今回は、全曜日の方々に「ぜひ継続したい」とおっしゃていただいたので、全曜日継続となりました。

――『大倉くんと高橋くん』が3月で終了する『オールナイトニッポンサタデースペシャル』(毎週土曜 23:30~25:00)ですが、SixTONESが新パーソナリティを務めます。

まず『大倉くんと高橋くん』は、僕は立ち上げ時のディレクターからプロデューサーまで担当したので、終わってしまうのが本当に残念です。関ジャニ∞の大倉忠義さんと、シンガーソングライターの高橋優さんが毎週、生放送にこだわって5年間担当してくださったことは、非常に大きかったと思います。

その上でこの『大倉くんと高橋くん』の後番組を始めるには、リスナーの熱狂というか、「始まるの楽しみだな」と思ってもらえることが大事だと思っていました。

SixTONESには、昨年の岡村さんが夏休みで番組を休まれた時に『オールナイトニッポン』特番を、今年1月にも年始特番を担当していただきました。彼らにはラジオのポテンシャルが非常にあって、radikoの数字もすごく良かったですし、とにかくラジオ的な“勘”が良かったのが印象に残りました。彼ら自身がYouTubeでラジオ的な番組を配信していたりと、新しい『オールナイトニッポン』の感じが作れるのではないかという期待も込みでオファーしました。

■ウイカ&水溜りボンド、パーソナリティ抜てきの理由

――『オールナイトニッポン0(ZERO)』の新パーソナリティ―には、ファーストサマーウイカさんと水溜りボンドさんが発表されました。

ウイカさんについては、女性の話せるパーソナリティで考えていった中で、2019年度の特番を振り返り、「しゃべりの伸びしろを感じるよね」という話になりました。1人しゃべりだと、ある程度人生のバックボーンや経験値があるとトークに深みが出るので、ウイカさんの人生経験の厚みにも期待しての起用です。

水溜りボンドさんに関しては特番の数字自体も良かったですし、2人ともラジオやりたいという意気込みをすごく持っていました。そしてYouTuberというのが魅力的で、今までの僕たちの文脈とはまったく違う『オールナイトニッポン0(ZERO)』の作り方ができるんじゃないかなと。まさにラジオとYouTube、アナログとデジタルの融合ができるのではと期待しています。

――最後に何かございますか。

ラジオ番組は昔と違って、スマホやパソコンで聴くことができるようになりましたし、放送後1週間以内であればいつでも聴くことが出来ます。特に『オールナイトニッポン』は、47都道府県全部で放送しているラジオ番組ですので、お住まいの地域のラジオ局経由で必ず聴くことができます。

ですので、家の中で過ごす時間が多くなっていると思いますが、『オールナイトニッポン』でなくとも、少しでも気になるラジオ番組があれば最初の10分でよいので聴いてみていただきたいです。1つでもお気に入りのラジオ番組が見つかると、生活の彩りになると思います。ぜひお試しください。