体育館でさくらしめじによる“弾き語り生配信ライブ”がいよいよスタート
程なくすると画面が切り替わり、本来は渋谷公会堂で身に着ける予定だった衣装に着替えた2人が登場。先ほどまで卒業式をしていたステージを背に、学校の机の上には水やタオル、キノコのライトを小道具に据え、昨年の夏ツアー中に自身で書き下ろした「青春の唄」を皮切りにライブがスタートした。
さくらしめじの中でも人気の高い「ふうせんはなび(卒業式ver.)」では、まさに今の季節のような柔らかい春の日差しを思わせるヴォーカルに、小気味良さを感じるギターセッションで、合間には彪我によるテクニカルなギターの単音早弾きも。「しめじの配信みようよ、クラスのみんなで」「みんなと早く会いたいな」など、この日限りの特別バージョンの歌詞も織り込まれた。
続けて、優しさと切ないメロディがオーディエンスの心を揺さぶる「だるまさんがころんだ」「かぜいろのめろでぃー」を続けて披露。そして挨拶をしてMCタイムに入ると、2人は冒頭の卒業式を振り返る。
「緊張した」と口にしていた彪我だが、本来であればワンマンライブを行っていたであろう事に触れ、中止となってしまった中で出来る事を考えた結果、今回の生配信ライブに至った事を明かし、「皆さんの心に歌をとづけられるのは嬉しい事です。ありがとうございます」とオーディエンスへの感謝を表す。
雅功も「正直、本当に悔しくて、ライブをやりたかった」と、デビュー5周年という節目を締めくくるライブが出来なかった事に対して辛い胸の内を明かし、「次は6周年、その後は10周年、20周年、30周年……。まだまだ僕たちには明日があります。みんなと楽しい日々をこれから一緒に作り上げていけたらと思っています」と、目を潤ませながら力強くオーディエンスへ呼びかけた。
また生配信ライブという事で多くのオーディエンスから寄せられた卒業祝いコメントに目を通したした2人。彪我は感極まったのか目元を潤ませる様子を見せ、「今日という日も、さくらしめじとして音楽を届けられることが、すごく幸せですよね」と一言。その姿を見て雅功がフォローするように明るく「1曲目から(彪我が)涙目だったね」と茶化すと、彪我は負けじと「泣いてないですよ」と返しながらも、「ライブが始まる前から(オーディエンスたちから)コメントを頂けたのが嬉しすぎて……」と、実はライブ前から感極まってしまっていた事を明かした。
そして雅功の「卒業式が無くなってしまった方もいると思いますが、僕たちから卒業証書の代わりに、音楽を届けられればと思います」という言葉に、彪我も「4月から新生活がスタートしますが、嫌なことがあったとしても、良い事があるかもしれない。何事も巡っていきます。そんな中、大切なのは今を大事にするのが大切なんじゃないかな……と僕たちは思っています。今を大切にしたいという想いを込めて、歌いたいと思います」と、3月4日にリリースされたばかりの3ndアルバム『改めまして、さくらしめじと申します。』から「風とあるがままに今を歩こう」を披露した。
新生活に向けて不安を感じている人々の背中を後押しするような歌詞を、力強くい伴奏とコーラスで歌い上げる。演奏を終えるとコメント欄には拍手の絵文字と共にオーディエンスからは「ありがとう」というコメントが次々と投稿される。そのままゆったり情緒的なメロディーに乗せ、2人の気持ちと、さくらしめじを支えてきたきのこりあん(さくらしめじのファン)との事を歌った「イントロダクション」を静かに歌唱し終えると、笑顔で目配せをしてから「ありがとうございました」と口にして深々頭を下げ、カメラの前から姿を消した