高校生フォークデュオ・さくらしめじが3月30日、LINE LIVEにより生配信のライブを開催した。

実際のライブ会場同様に多くのオーディエンスたちと共に大いに盛り上がりを見せた同ライブ。本来はLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて、結成5周年企画のラストを飾るワンマンライブを開催予定だったが、昨今の社会事情により中止となった中、メンバー・スタッフが検討した結果、生配信の開催が決定した。

  • さくらしめじ

    さくらしめじ

この日は2人のアコースティックギターによる弾き語り形式で開催されたが、5年という活動の中で培われてきたテクニック、表現力、2人の作り出す呼吸によって、高校生とは思えないグルーヴ感を醸し出し、既存曲もリリース時よりもさらに進化。これまで以上にオーディエンスの胸に刻まれるようなコーラスとギターを力いっぱい響かせた。

また少し低くなった田中雅功の声と、高田彪我のやや高めのハーモニーのバランスも絶妙で、ヴォーカルにも少年から大人に向けた安定感が出てきており、高校3年間を経て“より聴かせるコーラス”へと進化を遂げている事も見逃せない所となった。

ライブが始まるかと思いきや、始まったのは本格的な卒業式

今回の生配信ライブは、タイトルを「さくらしめじがこのままだと留年!? そりゃ困る! 世界イチHAPPYな卒業式! やりまーーーす!!!」と銘打ち、会場は実際の廃校となった学校の体育館を使用している。

冒頭、パッハベルのカノンが静かに流れる中「ただいまより、さくらしめじ 高校卒業式を開催いたします、卒業生入場」というアナウンスの声が流れるとブレザーを着たさくらしめじが体育館のドアから登場。神妙な面持ちで2人が会場の来賓(視聴者たち)に向けて一礼をすると、拍手が鳴る中、実際の卒業式のように1人づつ体育館の中へと歩き出す。

ライブが始まるかと思いきや、本格的な卒業式が目の前で展開されるという意外な展開に「本気の卒業式だ!」「感動」などのコメントが次々と寄せられていく。

その後“卒業式に参列している参列者”目線として彼らを見守るようなカメラワークが展開されていく中、ステージ前に置かれたパイプ椅子に2人が到着し、「礼、着席」という掛け声とともに丁寧にお辞儀をして椅子に腰掛ける。

「卒業証書、授与」のアナウンスが流れ、卒業証書が読み上げられ、彪我・雅功の順番で卒業証書を受け取ると、コメント欄には、拍手の絵文字と共に「おめでとう」の文字が次々とアップされる。そして「卒業生の言葉」では2人が視聴者たちの方へ向き直り、3年間2人が行ってきたライブの振り返りを、卒業式の定番である言葉の掛け合い形式で行った。

卒業証書授与の場面では、緊張のためか歩く際に手足が同時に出てしまったり、返事の声が上ずったりしてしまう姿も。卒業生の言葉では、真面目に一生懸命やっているはずだが、どこかユルさとシュールさを感じさせる空気となってしまい、さくらしめじらしいかわいらしさが多々見られた事から、視聴者たちのツッコミや感想の掛け合いも活発になっていき、ライブ会場のように“みんなと一体となって楽しむ”という空気感がどんどん作り上げられていく。

その後「卒業生合唱。歌唱・田中雅功、伴奏・高田彪我」のアナウンスが流れると、彪我が伴奏キーボードを演奏する「合言葉」が始まる。弾き語りというシンプルな形だからこそ、2人のヴォーカルや伴奏の力強さや伸びやかさ、美しさが際立ち、絶妙なハーモニーが会場に響き出すと、会場の空気が一気に塗り替わっていった。

かと思えば、またユルさとかわいらしさ全開の「しめじ体操」MVが流れた後、アーティストのオーイシヨシマサが映像で登場し、「良きライバルとしてやっていきつつ、イベントとかも一緒にやろうね!」と卒業する2人へ笑顔でメッセージを送る。続けてスタッフ、バンドメンバーなど2人にゆかりのある人たちからのお祝いメッセージが映し出されると、視聴者も拍手の絵文字やコメントでそれを見守り、本物の卒業式さながらの雰囲気となった。