――今作でW主演を務める東出昌大さんとは、過去にも2015年公開の映画(『GONIN サーガ』)で共演されています。久々に共演をしてみていかがですか。
5年前に一緒だった映画は、まだあいつもデビューしたてで、反社会的勢力の役でした(笑)。真島(修平)という役自体が、ちょっとヘンテコなヤツですが、今回みたいな役は定評があったといいますか(笑)。5年会わないなか、あいつもいろいろ経験してきて、真島という人間像を東出の味付けでちゃんとやっていると思います。
――完成披露試写会では、桐谷さんと東出さんは、撮影の合間に演技について話し合っているとも話していましたね。
たまに自分の中でちょっと違和感を感じたりとか、「こうした方が面白いんじゃないかな」とか「これってどうなんやろ」って思ったら、演技についてはいまだに話しますね。もちろん、監督も含めてですけども。
――今回脚本を担当しているのは、朝ドラ『まんぷく』(NHK)でもご一緒だった福田靖さんです。脚本についてはいかがでしょうか。
事件解決やトリックが、けっして主役じゃないというか。登場人物みんなに自分の人生があって、重なり合ったときに何が起きるのかだったり、事件解決した後も、犯人にも人生があって刑事にもその先の人生があって…。それが描かれている感じがすごく新しいな、見たことないなと思います。自分が主演している作品をこう言うのもなんですが、素晴らしいです(笑)。
■仲井戸豪太は“代弁者”「すごく身近なヒーロー」
――豪太のキャラクター像についてはいかがですか。キャラクター紹介では、「情に厚く、一度走り出したら止まらない男。腕っぷしや運動神経には自信があるが、勉強は苦手で、今の時代に重視されるコンプライアンス意識も薄い。正義に対する考え方も市民感覚の方が強く、警察組織の矛盾にも物申してしまうことが多い」とも書かれています。
「行け行け!」って思いますけどね。「ああいいな、コイツのこういうところ」とも思うし、リスペクトもしますし。今回、元捜査一課の方が監修についてくださっているんですけど、今回のドラマはすごいリアリティがあるとおっしゃってくれてます。
送検した後にみんなで居酒屋行くとか、刑事が自分たちの席に座りながらも、全然事件と関係ない話もするとか、そういうシーンって今まであまりなかったじゃないですか。でも刑事も、人間だからそういう部分もきっとあるし、そんな中でそれぞれの正義があって、という。
その元捜査一課の方が、「豪太は今の警察官や刑事の代弁者であると思います」と言ってくれました。やっぱり言いたいことも言えなかったりもある中で、検事にもバンバン言っていくというのは、ある種の人間臭いヒーロー像というか、すごく身近なヒーローっていう感じはしますね。
――桐谷さんご自身も2月に40歳という節目を迎えました。今後の目標はございますか。
本当にこのドラマのことしか考えてないです。今はとにかく、このドラマを面白い最高の作品にして、全力でやりきります。もちろん、「40代ってこうしたいな」っていう考えもあったらあったらでいいと思いますが、今はあんまりないですね。「まずはこれをやり切る」ということしか考えてないです。
――最後に、視聴者の方へ伝えたいことはございますか。
本当に単純に見ていただいて、楽しんでもらえたらと思います。それしかないというか、それだけですね。そのために、俺たちは苦しいところも、楽しいところもやっています。
人には好みがあるので、全員が全員楽しいと思えるかどうかは、僕には分からないですけど、きっと明るい気持ちや前向きな気持ちになれたり、単純にリラックスして面白いって言える作品になっていると僕は自信をもって言えます。なので、ぜひこの作品を見ていただけたらうれしいです。
これから、もっと凶悪犯罪の敵と戦うことにもなって、どんどん目が離せない展開になります。何回も言うようですけど、見ていただけたらうれしいです(笑)。