Intelligent Transformationを実現する3Sのひとつである「Smart Verticals」の推進ではどんな体制を敷いていますか?
ロボトム:ヘルスケアや製造分野などの業種ノウハウに精通した人材の獲得を進めています。また、グローバルでは、コマーシャルIoTの組織を設置しており、この組織との連動のほか、次のステップでは、日本にも同様の組織を作りたいと考えています。日本のお客様のニーズを捉えながら、どの業種に対して力を注ぐのかといったことも考えていきたいですね。
一方で、ネットアップとの協業の成果はどうですか?
ロボトム:ストレージに対する需要は旺盛であり、それに伴う成果は出ています。特定の案件における他社との競合でも、両社のパートナーシップによって、よりよい提案を行うことで、勝ち取った例も出ています。また、パートナーとの連携も広がっています。その一方で、もっと上の成果を目指さなくてはなりませんし、レノボとネットアップとの協業についての理解が、日本ではまだ進んでいないという反省があります。両社の協業に対するメッセージアウトを増やし、協業によって取り組む範囲もさらに広げたいですね。レノボが持つ多くのサーバインストールの実績をもとに、それらの企業への提案や、ストレージのリプレース時の提案のほか、ストレージを活用した新たな顧客へのソリューション提案を増やしたいと考えています。ネットアップの日本法人に新たな社長が就任(中島 シハブ・ドゥグラ氏が社長に就任)しましたから、新体制のもとでの協業を強化したいと思っています。
レノボ DCGでは、グローバルでサブスクリプションモデルの「Lenovo TruScale Infrastructure Services」の提供を開始しています。日本においての反応はどうですか?
ロボトム:思ったよりも動きが鈍いというのが正直なところです。日本のパートナー、お客様には、興味を持ってもらっていますが、どんな魅力があるのかということを伝え切れていないようですし、現時点ではサブスクリプションモデルそのものを様子見だという状況もあります。オンプレミスをサブスクリプションモデルとするにはハードルが高いですから、まずはハイブリッドクラウドの環境において、少しずつ関心が高まっていくことになるでしょう。ただ、長期的視点で見れば、この方向に向かっていくことは間違いありません。一方、他社は従来のリース形態をもとにした仕組みですが、Lenovo TruScale Infrastructure Servicesは、消費電力をベースにした従量課金というユニークな仕組みを採用しています。そのメリットも提案したいですね。日本のお客様は、新たなテクノロジーやビジネスモデルに対しては慎重に検討を重ねるケースが多いといえます。クラウドもそうでした。しかし、これから日本の企業がハイブリッドクラウドやマルチクラウドに移行する際に、同時にサブスクリプションモデルを活用することができ、クラウドで先行した欧米企業などと同様のタイミングで、この仕組みを活用することも考えられます。まずは、先行している北米での事例を紹介していくことが大切です。日本の企業の関心を徐々に高め、その流れに合わせて提案をしていきたいとと思っています。