それはそれとして、XPS 13 2-in-1の“ここがすごい”
と、今回は2-in-1 PCとしてのXPS 13 2-in-1を考察してみた。製品企画者からすれば「タブレットでも実用的なことを訴求してくれよ」と言いたくなるかもしれないが、そこはやはり、実際に長期間使って何度も挑んでみた結果の正直な意見なので申し訳ない、としかいえない。
ただ、せっかく長期間使ってきて、「ああ、さすがこういうところはXPSだなあ」と“感服”したところも多々あるので、一連の長期使用レビューのまとめとして、紹介しておきたい。
まず何といっても“3K”(3840×2400ドット)の解像度は使いやすい。画面サイズ13.4型で3K4K意味あるの?という意見もあったりするが(そして、私もそう思っていたときもあるが)、実際使ってみるとAdobe IllustratorやAdobe InDesignなど、パネルやウインドウ、ツールバーを多数開けて、作業効率の高い環境を用意できる。さすがにフォントを無理なく視認するためには表示ズームを上げる必要があるが、それでも、約338ppiと高精細な表示なので、それほどズームを上げなくても大丈夫だった(実際には推奨300%のところ200%でも問題なかった)。
そして、地味ながらも意外と便利だったのが「片手だけでディスプレイを開くことができるヒンジの絶妙なトルク設定」だ。ディスプレイヒンジのトルクは、多くの場合開いたディスプレイの角度が変わらないように、どちらかというと固めに設定してある。そのため、ディスプレイを閉じた状態から開こうとすると一方の手で本体を押さえた上でもう一方の手でディスプレイを開く必要があった。これが、XPS 13 2-in-1だと、片手だけで「すっ」とディスプレイが開いてくれる。長く使っているとこれがとても便利なのが分かる。そして、すっと開く感触がこれまた気持ちよくて、これだけで評価ポイントがグンと上がる。
さらに、これも地味なメリットだが、ボディがとにかく丈夫だ。丈夫という意味には、ノートPCの訴求でよくある「堅牢」であることとともに「表面に傷がつかない」ことも含まれる。ノートPCを長く使っていると、どうしても天板や角々に擦り傷がついてしまう。実をいうと、これはメーカーから借用して私物よりだいぶ注意を払って使う評価用機材でも(程度は軽く少ないながらも)ある。しかし、XPS 13 2-in-1は、かなりの長期にわたって使用してきたが、天板にも角々にも傷がつかなかった。見た目も大事な昨今のモバイルノートPCにはこれも重要なメリットといえる。
というわけで、長きにわたって使ってきたXPS 13 2-in-1とも、これでお別れだ。デルがいう通り、これは「未来を具現化した」モデルだった、という言葉を最後に贈ろう。