――テレビシリーズの終盤でまさかの再登場を果たし、ふたたび消滅した白ウォズが本作で二度目の復活を遂げますが、演じる渡邊圭祐さんも黒ウォズと同じくらい白ウォズを気に入っていたと聞きますし、今回もノリノリで演じられていたのではないでしょうか。

ゲイツと白ウォズとの絡みでは、僕も圭祐も盛り上がって演技していました。白ウォズはテレビシリーズだといい奴と悪い奴の間をフラフラしている印象だったし、そこが魅力だったと思うんですけど、今回はわりとはっきりキャラが固まっていたので、圭祐も振り切って、楽しみながら演じていたようです。

――今回のアクションシーンについて、いつものゲイツではなく"高校生のゲイツ"としてのアクションで難しかったところがあったりしましたか。

高校生のゲイツは戦闘の経験がありませんから、敵が襲ってきてもまともに対抗ができません。そういった弱さを表現するのが難しかったですね。

――アクションといえば、劇中で柔道の試合をするシーンもありました。

柔道は中学生のころに授業で習ったくらいしか経験がなくて、撮影での試合シーンは見よう見まねでした。今回だと柔道のシーン全般がもっとも難しかったかもしれませんね。敵にやられるといった"受け身"のアクションはテレビシリーズでたくさん経験しましたから、ほとんど困ることはなかったです。やられ方には自信がありますよ。うまくリアクションする秘訣は、サポーターで身体のすべての箇所を"守る"のではなくて、ところどころを薄くしておいて、当たったときの"痛み"をちょっと感じるようにしておくことなんです。本当に痛いので、それが表情に現れますよね。その表情を利用してリアクションの芝居をするんです。

――ゲイツがライドウォッチで仮面ライダーゲイツに変身するのも、この作品が"最後"かもしれません。変身ポーズを取られたときは、どんなことを思われましたか。

初のゲイツ主役作品ですし、これで最後だという思いもありましたから、変身ポーズはけっこう気合いを入れて挑みましたね。全体に、気合いの入るセリフも多くありましたし、"決め"のカットは頑張りました。

――ゲイツの最強フォーム「ゲイツ、マジェスティ」の姿をご覧になったときの感想を聞かせてください。

あえてノーコメントで(笑)。まあ、壮が初めてグランドジオウを目の当たりにしたときと同じ思いでした、とだけ言っておきましょうか。

――改めて『ゲイツ、マジェスティ』で押田さんが特に「この部分に注目」してもらいたいのはどんなところでしょう?

「ふつうの高校生」と「救世主」の"演じ分け"ですね。テレビシリーズではあえてゲイツの感情を出さないよう努めましたが、今回はまったく逆で、主役というのも意識して、熱い部分を前面に出すようにしています。ここが見せ場だな、と思える場面がいくつもありますので、ぞんぶんに楽しんでいただければうれしいですね。

――2018年の『ジオウ』放送開始以来、およそ1年半にもわたって演じられてきたゲイツという役も、初主演作の本作『ゲイツ、マジェスティ』で一区切りとなりそうです。最初のころと今とで、ゲイツの演じ方がどのように変化しましたか。

テレビシリーズの途中から、自分が決めたゲイツという役の"枠"を強く持ちすぎないように意識しましたね。たとえば、ゲイツだったらこういうことは言わないとか、こういう動作はしない、なんて、自分で決めつけではダメってことです。順一郎役の生瀬(勝久)さんや「キバ編(EP36、37)」の田村(直己)監督からそう教わって以来、いろいろな演技を試してみました。その結果、ゲイツはとてもふり幅の大きなキャラクターになりましたね。今回の作品や、小学館『てれびくん超バトルDVD 仮面ライダービビビのビビルゲイツ』(2019年)ではゲイツの違う一面を出せたと思いますし、すごく楽しく演技をさせていただきました。

――未来から悲壮なる決意を持って現代にやってきた戦士というテレビシリーズのゲイツと、仲間と一緒に明るい高校生活を送る今回のゲイツでは、どちらのゲイツが演じやすかったですか?

僕自身はシンプルにテレビシリーズのゲイツが好きです。自分が尊敬できる、理想の男性像ですからね。一方で、最終回のラストシーンで楽しく日常を過ごしているゲイツを演じることができたのもよかったと思っています。

――最後に『ゲイツ、マジェスティ』の公開と映像ソフトリリースを楽しみにされているファンのみなさんに向けて、押田さんからひとことメッセージをお願いします。

ゲイツという役を演じたのは僕ですが、スタッフの方々やファンのみなさんの力があってこそ作り上げられたキャラクターです。たくさんの人たちの思いを受けたからこそ、ゲイツが愛されるキャラクターになることができたんだと思っています。『ゲイツ、マジェスティ』でゲイツのカッコいいところを観ていただいて、これからもずっと彼のことを忘れないでいただきたいです。どうぞよろしくお願いします!