モトローラ・モビリティ・ジャパンは3月16日、ミッドレンジのSIMロックフリースマートフォン「moto g8 plus」を発売します。直販サイトの「Motoストア」における販売予定価格は38,800円(税込)。普及価格帯でありながらも、背面にクアッドカメラを搭載しているなど、カメラへの注力が目立つ端末です。
今回、販売前の実機をお借りできたので、本稿では同機を数日間扱ったうえでの使用感についてレビューをお届けしましょう。
6.3インチ液晶、段差ナシのなめらかな本体
moto g8 plusは、2019年10月にグローバル向けに先行して発売されていた機種です。6.3インチのフルHD+ディスプレイを搭載しており、ディスプレイ上部にあるノッチも水滴型のため、表示領域は広く感じます。
本体サイズは約W75.8 × H158.4 × D8.27mm。重さは約188g。身長170cm台の男性である筆者の手で、ぎりぎり片手で扱えるサイズ感です。ただし、標準搭載の「Moto」アプリにある「Motoアクション」機能から、「スワイプして縮小」を有効にしておけば、画面の中心から端に向かってスワイプするだけで片手モードが有効になります。これなら満員電車内などでも片手操作に困ることはないでしょう。
同機に触った印象としては、背面から、側面、ディスプレイまでが段差を感じないよう、滑らかに整えられている点にこだわりを感じました。ただし、カメラ部分が少し飛び出ているので、保護ケースを付けずに使っていると、テーブルに置いたときにレンズ周りの接触が気になるかもしれません。
ボタン・ポート類に関しては、右側面に音量キーと電源キー、左側面にSIMカードスロット、上側面に3.5mmイヤホンジャック、下側面にUSB Type-Cコネクタが配置されています。バッテリーは4000mAh。18Wの急速充電にも対応し、同梱のチャージャーを使えば、15分の充電で最大8時間分の駆動が可能です。
カメラはAI関連機能が豊富
背面カメラは、トリプルカメラにToFセンサーを加えた構成。メーカーによってはクアッドカメラと呼ぶこともあるでしょう。具体的には、メインカメラ(4800万画素でf/1.7)、深度センサー(500万画素)、超広角アクションカメラ(1600万画素、画角117度)、ToFカメラを備えます。5つ目のカメラにも見える白い丸は、LEDフラッシュです。
カメラアプリのUIは、モトローラ流の独特なものになっています。まず、静止画撮影では1倍から8倍までデジタルズーム操作が可能。しかし、超広角アクションカメラはこの画面からは扱えません。広角カメラは動画撮影のUIでのみ使える仕様になっています。
光量が少ない環境で静止画を撮影する場合には、4つのピクセルを1つとして扱う「クアッドピクセルテクノロジー」により、感度を上げることが可能です。撮影機能としては、「ナイトビジョン」という夜間撮影モードが用意されています。
AIによって被写体を自動で認識して、最適な撮影モードを提案する機能もあります。例えば、食材や料理を撮影しようとすると画面には「料理」という表示が現れます。ここのスイッチをオンにすることで食事の撮影に適した温かみのある色味が適用されるのです。ちなみに、下記の作例では、店舗のライティングの関係もあり、ちょっと加工が強くなりすぎたので、こうしたエフェクトは無い方がよいかなと感じました。そんなとき、撮影モードのオン・オフを撮影者の判断で切り替えられる点もポイントでしょう。
また、人を撮影したときに三分割法を適用した構図を提案してくれる「スマート構図」機能もユニークです。これは通常の撮影と同時に、写真の構図を調整した「AIショット」をバックグラウンドで撮影してくれる機能。なお、これを利用したい場合には、予めカメラアプリの設定内で、「スマート構図」をオンにしておく必要があります。
動画撮影では、「標準ビデオ」モードと「Action Cam」モードの2つが用意されており、シャッターボタンの左になるアイコンをタップすることで、切り替えられます。「Action Cam」を選択した場合に画角117度の超広角撮影が可能。どちらのモードでも、1倍から8倍までのデジタルズーム撮影ができます。この点は、静止画と共通です。
Action Camモードでは、スマートフォンを縦に持った状態で、横長のアスペクト比で動画を撮影可能。撮影開始・停止の操作は音量キーで行えるため、例えばグローブをつけた状態でも、ガッチリとスマートフォンを握って扱えます。手ブレに関しては、歩いて撮影する程度ならほぼ気になりませんでした。技術的な詳細は公開されていませんが、モトローラ独自のアクションビデオ技術で最適化を図っているとのこと。
ちなみに、Action Camモードでの動画撮影中に、右下に表示されるシャッターアイコンをタップすると、静止画として記録されます。超広角の静止画を残したい場合には、やや手間ではありますが、上記操作を覚えておきましょう。