h.earシリーズヘッドホンとの2台持ちもアリ!
最後に、最新世代のh.earシリーズの中での位置付けを整理しておきましょう。
アラウンドイヤータイプの全部入りヘッドホンである「WH-H910N」は、h.earシリーズ最上位機種の貫禄。立体的でワイドな音場の再現力が見事だと思います。従来のh.earシリーズのアラウンドイヤーモデルと同様にフラットバランスをキープしながら、サウンドはより力強く山谷を再現する現代風のチューニングに進化しています。ノイズキャンセリング機能の効きはフラグシップのWH-1000XM3に比べてしまうとやや控えめですが、自然な効果が得られるので長時間リスニング向きと言えるかもしれません。音楽再生に限らず、動画やゲームなどマルチジャンルのオーディオリスニングを1台でこなすオールラウンダーとして手に入れる価値があります。
オンイヤースタイルの「WH-H810」はノイズキャンセリングや外音取り込みの機能はありませんが、重さが約180gと軽くてコンパクトなので、ポータビリティに優れています。WH-H910NとWH-H810はDSEE HXを搭載しているだけでなく、ハイレゾ相当の音質が楽しめるソニーのBluetoothオーディオコーデック「LDAC」をサポートしており、本格的なハイレゾ再生が楽しめるワイヤレスヘッドホンのエントリー機としても魅力的です。音質はWH-H910Nほど肉付きは良くありませんが、芯がしなやかで音の質感もきめ細やか。抑揚をていねいに描くサウンドが、しっとりとしたジャズのボーカルやピアノによく合いました。
どちらのヘッドホンを持っていても、後からWF-H800を手に入れる選択はアリだと思います。音の傾向はそれぞれに違う味を持っていて、シーンを切り分けて使える楽しさがあります。h.earシリーズの完全ワイヤレスイヤホンと「2台持ち」にして楽しめば、繰り返し聴いているお気に入りの楽曲からも、また新たな発見が得られるでしょう。