2×2kmの新マップ「Karakin」追加の狙い

――ゲーム内のアップデートについてもお伺いしたいと思います。直近では新マップ「Karakin」が登場しましたが、どういった狙いで追加されたのでしょうか?

井上:「Karakin」は、2×2kmの非常に小さなマップ。そこに64人のプレイヤーが降下しますから、マッチ開始の直後から緊張感ある戦いが行われます。開発チームのDev Letterを見ても、より緊張感を持たせるためのマップ作りを行ったことが読み取れます。

加えて、粘着爆弾で壁を壊して洞窟内を探索するなど、バトルロイヤルゲームならではのおもしろさに、よりフォーカスしたマップだと個人的には感じますね。ただ、eスポーツシーンで採用される既存のマップとは違い、「Karakin」は実験的な部分も大きく、どちらかというとイベントに近い雰囲気もあります。

我々は、どんどん新たな要素にトライしながら、プレイヤーの皆さんからのフィードバックを受けて、クラシックなマップに反映させるかを検討する流れを作っていきたいと考えています。そのため最近、開発チームがテストしているさまざまな内容を確認できる「PUBGラボ」というシステムも導入しました。

幅広いプレイヤーからのフィードバックを真摯に受け取っていくために、さまざまな地域で開発者とプレイヤーがコミュニケーションできる場を作るべきではないか、という議論もされています。

  • 新マップ「Karakin」。従来のマップと比べてだいぶ狭い

――ちなみに今回、既存のマップ「Vikendi」と入れ替わるような形で「Karakin」が追加されました。「Vikendi」は、冬の限定マップのような形で今後も登場するのでしょうか?

井上:いえ、冬の限定マップとは言われていません。ただ、再び登場する予定ではあります。そのまま出してもおもしろくありませんから、開発陣もプライドを持って、ひと手間ふた手間かけた、新たな「Vikendi」として出したいと考えているでしょう。

新機能のカギになるのは「ユーザーのフィードバック」

――直近のトピックスとしては、国内で基本プレイ無料のPC版『PUBG LITE』のリリースがありました。

井上:2018年にリリースされたモバイル版やコンシューマー版に続き、家庭用PCでもプレイできる『PUBG LITE』を2019年12月に提供開始しました。目的は、『PUBG』を体験できる場所を増やして、もっと多くの人に知ってもらうこと。おかげさまで、順調なスタートを切ることができました。

――『PUBG LITE』には、オリジナルマップで遊べる「4vs4 TEAM DEATH MATCH」がありますが、今後Steam版にも登場する可能性はあるのでしょうか?
※インタビュー実施後、Steam版に8vs8のTEAM DEATH MATCHモードが登場すると発表されました。

井上:アップデート情報に関しては、何ともお答えしづらくて……。仮に社内で方向性が決まっていたとしても、それが急に変わることがあるんです。ずいぶん前ですが、銃弾を防ぐシールドが動画に出ていたことがあったじゃないですか。

――そういえば、そんなトレーラー映像もありましたね!(笑)

井上:動画には出ているのですが、シールドはまだ実装されるのかどうかもわからない状況。ほかにも、いつどのような形で入るかまったくわかりませんが、開発や研究が進められている要素はたくさんあるんです。

そのなかで、プレイヤーの皆さんにどういう体験を提供していくのかは、そのときの方向性も踏まえて判断されます。なので、質問の答えは「もしかしたらあるかもしれないし、ないかもしれない」です(笑)。

――開発チームの試行錯誤のうち、実装されているのはごく一部なんですね。

井上:最近では、モーターグライダーの追加がありましたが、それも今後クラシックなものとして反映されるかどうかは、プレイヤーの皆さんからの反応を踏まえて決定されていきます。

我々としても、ただアップデートして終わりではなく、皆さんからのフィードバックを受けながら一緒に取り組み、このタイトルを育てていきたいと思っています。やはり、『PUBG』をプレイしてくださっている方々の感覚がもっとも重要ですから、皆さんのご意見は開発チームに共有していきますので、新要素やバランスなどに関するフィードバックがあれば、PUBG JAPANの公式Twitterなどにご意見いただけるとうれしいです。

――最後に、国内の『PUBG』プレイヤーや観戦ファンへメッセージをお願いします。

井上:eスポーツシーンでは、PJSだけでなくグローバル大会を見てくださるファンを増やしていくために、コンテンツの楽しさを皆さんからも発信していただけるようなトピックスを作っていきたい。そのためにも、我々とDMM GAMESさんだけでなく、プレイヤーとも一緒になってシーンを盛り上げ、『PUBG』の楽しさを拡散していきたいと強く願っています。

PJSにおいては、視聴者の方々が選手を育てていく側面もあると思いますし、よりよいリーグを作っていくには皆さんのお力が必要です。ファンミーティングなどを開催しているチームも増えていますので、そういった機会にもぜひ積極的に参加していただいて、どんどん盛り上げていってくださればうれしいですね。

これから具体的な内容も発表する予定です。今後も皆さんと向き合いながら、取り組みを進めていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします!

――本日はありがとうございました!

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