笠井アナのInstagramより

――病院での密着取材は、どのように進めているのですか?

永野:もちろん大前提として、笠井さんの治療が何よりも優先されることなので、本人とも病院とも密に連絡を取って「この日は大丈夫」っていうときに伺う形ですね。週1回から2回の頻度で行ってます。それと、私たちの取材だけじゃなくて、笠井さんが自撮りしている映像もあるので、その素材も番組で使わせてもらっています。「今日は妻が来たから、こういう映像を回しておいたよ」って、いろいろ記録を残してくれているんです。すごくこっちのことを考えてくれています(笑)

――入院後の笠井さんの印象は、いかがですか?

高須:病室でお会いしても、本当に元気なんですよ。取材してる間はテンションが高いですね。ただ、我々がいなくなった後に、ガタッと来てるんじゃないかなと、少し心配です。

――取材が来るということでエネルギーが注入されるというのもあるのでしょうね。

永野:それはありますね。すごくサービス精神が旺盛な人なので、私たちが来たときに「何かネタになるものを撮って帰らないと困るだろうな」って考えてくれてると思うんですよ(笑)。だから、いろんな話もしてくれるし、「今からご飯食べるところだから」と言って食事のシーンを撮らせてもらったりとか、私たちのことなんて考えなくていいのにって思ってしまうくらいで。でも、本当にしんどいだろうなっていうときは、横になりながらインタビューするときもありますね。取材が負担になってしまうのが一番いけないことなので、心配になることもあるんですけど、やっぱりすごいテレビ人間なので、取材することで彼がいろいろ頑張れている部分も逆にあるだろうなというのは感じます。

■「一番動きのある画になる」と撮影準備

――抗がん剤の治療をされていると、髪の毛が抜けるということがありますが、それに対して本人の様子はいかがですか?

高須:入院して3日後くらいに、髪が抜ける前に散髪をするということで、その取材に行ったんです。病院内に入っている理容師さんが来て、病室で髪を切るんですが、実は、あの髪型にはすごくこだわりがあったんです。

――そう言えば、笠井さんはずっと髪型が変わらないですよね。

高須:そうなんです。なぜなら、20年以上ずっと同じ人が切ってるからなんですよ。だから、一気に丸刈りまではできなかったみたいで、仕上がりを見てあまりにも変化がないから、僕は思わず「これは放送ないかもね」って言っちゃって(笑)。本人としては、だいぶ短く切ったつもりみたいなので、後で悪いこと言ったなと思ったんですけどね(笑)

  • 散髪後の笠井アナ=Instagramより

――その後、脱毛が始まって、1月27日に「ついについに頭を丸めました。ツルツルになりました」とInstagramに投稿されていました。

高須:脱毛が始まってからヘアキャップをかぶっていたんですけど、いろんな種類をかぶって、同じ病気の人がそうなったときに、ちょっとでも明るくいられるようにと考えていると思いますね。

――入院中でも常に見られているという意識が変わらないというのは、すごいですね。

永野:本当に尊敬できますよね。

高須:髪を切るのも、「一番動きのある画になる」ということで事前に教えてくれて、病院とも入念に話をしてもらい、取材することができたんです。やっぱり、彼がテレビマンだからこそ成り立っている取材ですね。