スクリーンタイム活用術【子ども向け】

子どもとiPhoneは「スクリーンタイムと会話」で上手に見守ろう

家族と一緒に暮らしている人にとっては、「スマホの見すぎ、使いすぎ」は自分自身だけの問題ではないかもしれません。子どもとのコミュニケーションを図ったり、見守り用途のためにiPhoneを持たせているというお父さん・お母さんの気持ちをよそに、子どもたちは動画やゲーム三昧で、勉強に集中してくれずに困っている…。そのような悩みにも、iOSのスクリーンタイムが応えてくれます。

「ファミリー共有」を使うと、子どもがiPhoneをどのように使っているか、親(ファミリー共有グループの管理者)のiPhoneの画面上でグラフと数値によるレポートが確認できます。この場合、親子がともにiOS 12以降、またはiPadOSを載せたデバイスを使っている必要があります。

  • 親が子どものiPhoneの使いすぎをスクリーンタイムで管理できる機能もあります。親子で決めた使用時間を過ぎると、使いすぎのアラートが子どものiPhoneに表示されます

  • 子どもから親に「もっと使わせて欲しい」とリクエストが届いたら、親のiPhoneから使用許可を選んで時間を延長することもできます

親のデバイスから子どものスクリーンタイム設定に入り、「コンテンツとプライバシーの制限」をタップすると、iTunesやApp Storeでの買い物に制限がかけられ、課金コンテンツの使いすぎが未然にブロックできます。映画は、R指定やPG指定のあるコンテンツの視聴に制限をかけたり、Webコンテンツも親が指定したサイトだけにアクセスを許可することも可能です。

  • スクリーンタイムから「コンテンツとプライバシーの制限」を選択。「コンテンツ制限」から、映画やWebサイトなど子どもに使わせたくないコンテンツの詳細が選択できます

「通信/通話の制限」でより安全に

2019年12月から、ファミリー共有を設定したデバイスに「通信/通話の制限」がかけられるようになりました。子どもたちがスマートフォンを通じて知り合いではない人物と接触してしまい、犯罪やトラブルに巻き込まれることを未然に防ぐための新機能です。iOSデバイスの場合は電話とFaceTime、メッセージアプリに対して有効です。子どもの連絡先にない相手からの通話がブロックできるだけでなく、通話連絡先への新規登録も親子で相談しながら管理できる機能も効果的です。

  • 新しく加わった「通信/通話の制限」。電話やFaceTimeなど、子どもの連絡先に登録されていない相手とのコミュニケーションを親が管理できる機能です

筆者が子どもだったころは、そもそも携帯電話やスマホがなかったので、夜遅くに友だちと自由にコミュニケーションする手段はありませんでした。だから、仲のよい友だちと夜遅い時間まで会話が弾んだら楽しくて仕方ない気持ちはよく分かります。でも、SNSで仲間外れにされることに気をもまなければならなかったりと、今どきの子どもは相当の気苦労を抱えているものです。親が子どもに、スクリーンタイムを使って不便さを押しつけるだけでは良好な親子関係は生まれません。日ごろからスマホの正しい使い方を親子で一緒に話しながら考える機会を持つことが、子どもがトラブルに巻き込まれるのを未然に防ぐ最善の策といえるのではないでしょうか。

スクリーンタイムには、今のところLINEやSkypeなどIP通話やチャットができるアプリに制限をかける機能がありません。必要な場合は、「App使用時間の制限」をうまく使うといいでしょう。今後、スクリーンタイムのアップデートにより、サードパーティーの通話アプリの詳細設定もできるようになることを期待したいですね。

スクリーンタイムの記録、漏洩の心配は?

スクリーンタイムのレポートは、ユーザー自身のiPhoneについてはすべてデバイス上にだけ記録されるため、ふだんよく使うアプリやサービスの履歴が外部に漏れる心配はありません。iCloudにサインインしているユーザーのデバイス間でレポートを共有したり、記録を合算して表示することも可能ですが、ファミリー共有も含めたすべてのデータは独自に暗号化された後に、アップルもその情報に関与できないほどセキュアな通信手段を使ってiCloudに送られるので、漏洩の心配は無用です。

もうじき春の新生活シーズンがやってきます。充実した時間の過ごし方を意識しながら、iPhoneのスクリーンタイムを「オン」にしてみてはいかがでしょうか。