アイ・オー・データ機器は1月22日、液晶ディスプレイや、PCレスでCD音源をスマホに取り込める「CDレコ」などを含む、2020年発売予定の新製品情報を多数リリースした。これに先がけて行われた報道関係者向けイベントの中で、同社が注力する製品カテゴリや新しいアプリについて説明。さらに、ラジオDJのやまだひさしさんらを招き、スポーツ実況を低コストかつ手軽に実現するクラウド型音声配信サービス「PlatCast」の正式運用開始をアピールした。
アイ・オーを支える液晶に注力、新CDレコやライブ配信機投入
アイ・オー・データ機器の濵田尚則社長は、発表会の中で「ここ数年は売上と利益をコンスタントに上げられるようになってきた。とりわけ、業績アップの一番下支えになったのが液晶モニター」と話す。デスクワークにおいて、複数のソフトを同時に立ち上げて使うのであれば、より大きな液晶ディスプレイに変えるだけで(仕事の)生産性が上がることをアピールするなど、働き方改革に紐付けた商品訴求を行ってきたという。eスポーツ向けにも展開する「GigaCrysta」シリーズや、企業・学校向けの大型液晶製品についても、2020年春頃から新製品を投入していく予定で、会場には参考出展の実機を複数並べていた。
新たな周辺機器として、会場では2月中旬に発売予定のライブ配信機「GV-LSBOX」の実機デモが行われていた。HDMI出力の映像をPCレスで配信・録画できるスタンドアロン型ライブストリーミングボックスで、eスポーツなどでの活用が見込まれる。発売時の価格は税別108,000円前後。
フルHD対応のHDMI入力×4とHDMI出力×2、Ethernet端子を備え、最大1080p@60fpsの動画を、YouTubeやniconico、Twitchといった動画配信サービスを通じて配信可能。画面表示は1画面モードのほか、子画面モード(ピクチャーインピクチャー)や1:3分割モード、4分割モードなどが利用できる。最大3ストリームの同時配信と、3映像同時録画が行える点も特徴だ。
アイ・オー・データ機器は、オーディオ関連製品にも注力している。累計45万台を売り上げた、CDの音楽をスマートフォンに直接リッピングできる「CDレコ」シリーズには新モデル「CD-5Wシリーズ」を投入。2月中旬に発売予定で、価格はオープンプライス、店頭価格は税別12,800円前後を見込む。
マグネットで着脱できる、交換可能な新デザインの天板を採用。会場では2月発売予定の「初音ミク」第2弾モデルや、2020年春頃のリリースに向けて開発中の「CDレコ エヴァンゲリオンモデル」の参考出展もあった。
CDレコ機能だけでなく、付属のアプリでDVDも再生できる「DVDミレル DVRP-W8AI3」も登場。2月中旬に発売予定で、価格は税別15,800円前後を想定している。
さらに、既存の「CDレコアプリ」を刷新した新たな音楽プレーヤーアプリ「CDレコミュージック」を発表。「CDの音楽を聴きたい」というユーザーが根強くいることを背景に、再生機能を強化。具体的には、「アーティスト」や「ジャンル」「シャッフル」「ジェネレーション(音源のリリース年代)」、「ムード(同じ曲調の楽曲)」の各テーマに基づいて楽曲を整理し、自動的にプレイリストを生成する機能を新搭載した。音楽ストリーミングサービスで音楽を聴くのと同じ感覚で、手持ちの音楽ファイルを楽曲を連続再生できるようにしたのが特徴だという。
オーディオ関連ではこのほか、開発中のスマートフォン用アナログレコーダーを参考出展。USB Type-C端子を備えたスマホとレコードプレーヤーなどの機器を直結して、48kHz/16bitでデジタル音源化。FLACやAACファイルとして保存しつつ、音声波形をもとにGracenoteのデータベースからメタデータを付与できる。「ADレコ」という仮称が付けられており、2020年春をメドにリリース予定だという。
NAS製品もアイ・オー・データ機器の注力分野のひとつ。2019年に起きた台風災害やクラウドサービスの大規模障害等の事例を挙げ、不測の事態に備えて大事なデータをクラウドとNASの両方に保管するといった活用方法をアピールした。また、NASには寿命があることも踏まえ、新製品への買い換えをうながすキャンペーンを実施しているという。
通常のデータ保存用のNASとは設計思想が異なる、オーディオ向けのNAS「fidata」シリーズも展開しているが、同シリーズが4周年を迎えたことを記念して、新たに計2TBのSSDを積んだ台数限定モデルを用意。専用アプリ「fidata Music App for iOS」には、iPhoneやiPadでのローカル再生機能を追加するといった細かな機能強化を行ったアップデートを提供予定だ。