日本上陸が待ち遠しいEchoプロダクトの数々
ほかにも、アマゾンのブースには海外で先行発売され、日本上陸も楽しみな完全ワイヤレスイヤホン「Echo Buds」や、アメリカでは招待制での販売がスタートしたスマートグラス「Echo Frames」や指輪型のウェアラブルデバイス「Echo Loop」も展示されていました。
Alexa内蔵のスマートグラスには「Focals」という、スピーカーとマイクのほかに片眼視タイプのプロジェクションユニットも積む米国のスタートアップNorthが発売した製品があります。レンズの度や着け心地を1台ずつユーザーに合わせてチューニングして提供するため、小ロット展開ながらも米国では話題を集めているスマートデバイスなのだとか。本体を軽量化し、デザインをスリムにしたVer 2.0も年内に発売を予定しています。
このほか、Fire TVのプラットフォーム側から提供されるSDKを組み込んだテレビが、アメリカでは東芝から発売されます。AlexaではなくFire TVを組み込むメリットは、電源を入れてすぐにプライムビデオが見られたり、テレビの視聴設定を音声で変更したり、プライムビデオコンテンツの視聴に特化した快適な操作感が得られるところにあります。本機については、スマートスピーカーのEchoシリーズやFire TV Cubeのようなスマートホームを音声で操作するためのハブ機能は持ち合わせていません。
アメリカは、日本よりも先にスマートホームやIoTデバイスが立ち上がったため、日本よりもテクノロジーやユースケースの実績が先を行くと言われていました。ところが、この2~3年のCESでの展示を見る限り、やはりユーザーが自分で機器を選択してDIYによりインストールする楽しみ方が主流だったため、今になってプラットフォームを共通化して、異なるメーカーや用途の製品を連携させながら利用、あるいは楽しめる機器やサービスが求められているようです。
CESの展示ホールに並ぶ各社のスマートホーム対応をうたう製品やサービスも、それぞれハードやユーザーインターフェースのコンセプト、デザインがバラバラに見えるため、向かおうとしている方向がいまひとつ見えづらいところもあります。そこに「Alexa対応のデバイスとサービス」という横串を1本さしてみると、アメリカの生活者が理想とするライフスタイルと、日本人の生活の違い、技術が進化していく方向が見えてきます。筆者にとっても、今年のアマゾンのブースを見られたことが大きな収穫になりました。