データデバイドに陥らないためにはどうしたらいいでしょうか?

鈴木:ひとつは、テクノロジーを理解することです。そして、もうひとつは、リーダーシップです。テクノロジーを理解したCTOやCIOが、データデバイドの危機感をしっかりと理解して、経営トップが、いまのビジネスに対して危機意識を持ち、データデバイドに陥らない意思決定につなげることが大切です。

一方で、2019年は、インテルのCPUの供給不足が大きな問題となりました。

鈴木:その点では、大変ご迷惑をおかけしています。インテルでは、増産に向けた投資を発表した通りに行い、2019年後半には供給不足の解消を目指しましたが、グローバル全体での需要がその予想をさらに上回る結果となりました。日本の市場を見ても、想定以上の需要があり、調査会社の予測を大きく上回る結果となっています。今後は徐々に改善していくと考えています。

2020年は、インテルにとってどんな1年になりますか?

鈴木:PC市場全体という観点では、残念ながら、2019年の出荷実績を下回ることになるでしょうが、働き方改革やゲーミングPCの動きなど、いくつかのプラス要素があり、2018年の市場規模は維持できるように、インテルとしても貢献していきたいと考えています。また、2020年は東京オリンピックが開催され、インテルとしてもその成功に向けて強力に支援をしていきたいと思っています。NECの顔認証システム「Neo Face」は、東京オリンピックの大会関係者の入場管理に使用されることが決定していますが、ここには、インテルのCore i5が採用されています。また、「♯2020 beat」では、インテルのAIソリューションを活用して、全5曲の公式ビートを制作するといったことにも取り組んでいます。

こうした活動などを通じて、インテルはイノベーションの会社であるということを広く認知してもらいたいと思っています。

また、2020年は日本で5Gが商用化されますが、とくに、ローカル5Gに注目しています。調査会社の予測では、3年後には、AIの40%がAIでエッジで処理されると言われています。そこにローカル5Gが組み合わさることで、これまでにないソリューションが生まれることになります。そうした点でも、5Gは、まずはエンタープライズからユースケースが生まれると考えています。これは、データセントリックトランスフォーメーションという流れにおいても、重要なテクノロジーだといえます。

2020年も、インテルは様々な領域でお役に立つ企業でありたいと考えています。