【その他の機能と「ながら運転」罰則について】

◆使える!その他の機能

ここまで、それぞれのアプリの基本的な機能を比較してきましたが、それ以外にもかゆいところに手が届く便利機能がたくさんあります。その代表的なものを項目ごとにご紹介します。

Yahoo!カーナビ Googleマップナビ
目的地登録 有り 有り
経由地登録 3カ所まで可 10カ所まで可
昼夜背景色変更 有り 有り
3D表示 有り 有り
地図の拡縮 有り 無し
駐車場空き情報 有り 無し
駐車場位置情報 有り 有り
駐車場残り時間 有り 有り
ガソリンスタンド料金 有り(全店舗ではない) 無し
ETC利用設定 有り 無し
車体サイズ設定 有り 無し

「昼夜背景色変更」とは、日の出、日の入り時刻に連動し、地図の背景色を自動的に昼・夜モードに切り替える機能。どちらのアプリもオフにすることが可能です。

「駐車場位置情報」とは、自分が車を停めた駐車場の場所を保存できるというもの。初めて行く場所で、どこに車を停めたのかわからなくなるという心配がいりません。

「駐車時間」は、たとえば30分毎に加算される有料の駐車場で、1時間3分駐車してしまったために、1時間30分の料金を支払うことになった、というようなことがないように、いつ車を駐車したかがわかる機能です。無駄な駐車料金を払わずにすむので活用したい便利機能ですね。

「ETC利用設定」は、ETCを使う人はオンにしておくと、有料道路を使用するルートで情報が予測料金に反映されます。

「車体サイズ設定」も、「軽自動車」「普通車」のいずれかを選択しておくと、有料道路を使用するルートで予測料金に反映されます。

◆アプリの注視は罰則の対象に

2019年12月1日の「ながら運転」の罰則強化により、スマホの注視もその対象となりました。ゲームやSNSを見ていたならともかく、カーナビアプリは車載カーナビと同じ扱いでもいいのではないかという声もあるようです。ですが、実は今回の法改正で、車載カーナビの注視も処罰の対象になりました。つまり目的がなんであれ、「ながら運転」は禁止ということです。

では「注視」というのは、具体的にどのような状態を言うのでしょうか? 法令では「注視」は厳密には定義されていませんが、警視庁の「やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用」というホームページには以下のような記載があります。

「各種の研究報告によれば、2秒以上見ると運転者が危険を感じるという点では一致しています(中略)。時速60キロで走行した場合、2秒間で約33.3メートル進みます。その間に歩行者が道路を横断したり、前の車が渋滞などで停止していたら事故を起こしてしまう可能性があります」

こうした情報をもとに、多くの報道が「注視」を「2秒以上見ること」としています。だからといって、2秒以下だと処罰されないかというと、そういうわけではありません。道交法では、「注視」の時間を定義していないため、状況によっては2秒以下でも検挙される可能性があるということです。

スマホやタブレットを注視して検挙された場合の罰則は以下の通り。

6月以下の懲役又は10万円以下の罰金

さらに、上記の違反によって道路における交通の危険を生じさせた場合、つまり事故などを起こした場合は以下のような厳罰になります。

1年以下の懲役又は30万円以下の罰金

つまり車載タイプでも、スマホのアプリでもカーナビを使用する場合は、画面表示ではなく、音声ガイドを参考にすることが望ましいと言えます。その点でも、事前に自宅などで予習できるアプリカーナビは、便利で安全です。

◆まとめ

「Yahoo!カーナビ」と「Googleマップ」を比較してきましたが、その機能は一長一短です。「Yahoo!カーナビ」はカーナビアプリですから、ドライバーのかゆいところに手が届く機能が充実しています。一方、「Googleマップ」は、カーナビではなく、地図アプリですから、分岐前の音声ガイドの回数が少なかったり、有料道路の料金がわからなかったりといった物足りなさがあります。とはいえ、経由地点を10か所も登録できたり、周辺のレストランや宿泊施設の詳細情報やユーザーの口コミなどがすぐに見られるといったメリットがあるので、旅行などには便利です。目的に合わせて、自分にピッタリのアプリを選んでみてください。