Unique Melody、骨伝導ユニット搭載の8ドライバーイヤホン
Unique Melodyブースでは、有線イヤホンの試作品が多くの来場者から注目を集めていました。今回の目玉は、低域用のダイナミック型×1、中高域用のBA型×4、超広域用の静電型ツイーター×2という計7基のドライバーを積むハイブリッド構成を基本とし、さらに骨伝導ユニットを積んだ8基構成のイヤホン。骨伝導ユニットを省いたモデルも展示されており、実際に試聴しました。
このイヤホン、試作品とはいえど完成度が高く、音質面でのインパクトでいえば今回のポタフェスでも屈指のレベルです。各ドライバーユニットのつながり(ネットワーク)がスムーズで洗練されており、骨伝導なしでもかなりの完成度。骨伝導モデルにはこれみよがしなところがなく、奥行きなど音場表現に変化が現れる微妙なニュアンスの表現に骨伝導ユニットが使われているようで、新鮮な印象を受けました。発売時期と価格は未定とのことですが、今後も骨伝導モデルの検討は続けていくそうですから、楽しみに待ちたいですね。
PC&スマホ両対応の小型USB DACを発見!
2019年のオーディオ分野におけるソフトウェア方面でのビッグニュースといえば、Amazonが日本国内で9月から提供開始した高音質ストリーミング配信サービス「Amazon Music HD」と、ソニー・ミュージックエンタテインメントが11月にスタートしたハイレゾ対応ストリーミング配信「mora qualitas(モーラ クオリタス)」。どちらも5G時代の到来を見据え、モバイル重視のサービスとして展開される見込みですが、PCも重要な再生プラットフォームであることは確かです。
そうなると欲しくなるのが、小さくてPCに合うUSB DAC。ヘッドホン端子はあるにせよ、ノートPC標準装備のDAC/ヘッドホンアンプには音質を望めませんからね。せっかくノートPCが軽いのに重量級のUSB DACを持ち歩くのは非合理的だし、かといってBluetoothで聴くのはもったいない。
そこに見つけたHIDIZS(ヒディス)の新製品「S8 DAC」。アルミニウム削り出しボディは質感上々、USBメモリと同じくらいのサイズで9gという軽さ。DACチップにはCirrus Logic「CS43131」を採用し、PCM 384kHz/32bitにDSD 256対応という充実のスペックです。
S8 DAC本体のUSB micro B端子にケーブルを付け替えて、WindowsやMac搭載PC、Android端末、iPhoneなど様々なデバイスで利用できます。LightningやUSB micro B、USB Type-C、USB Type-Aの各端子を備えたケーブルが付属し、それでいて実売価格は税込10,000円前後ですから、これはまさにハイレゾ/ロスレス音楽配信サービスを気軽に楽しみたいユーザー向けといえそうです。
もう行列は不要? ポタオデ試聴を「サブスクレンタル」で
ハードウェアでもソフトウェアでもない、純然たるサービスを提供する会社もブースを出展していました。その名は「ONZO」。定額の月額料金を支払えばヘッドホン・イヤホンやヘッドホンアンプなど、オーディオ機器を借り放題、というサービスを提供するスタートアップ企業です。借りられる機器のグレードや、同時に借りられる商品数が異なる複数プランが用意され、最も安い「シングルプラン」は月額1,980円(税込)。月額料金はいつ借りても/返しても同じです。
ONZO代表の知場氏に現状を聞いたところ、JVCケンウッドやスタックス、オンキヨーパイオニア、Artio、ULTRASONE、CHORDなどのメーカー・ブランドから賛同を得て、取扱製品は100点以上確保しているとのこと。利用者は10月のサービスインから延べ80名だそうですが、5年後には1万人の月額アクティブ会員を目指すとのことです。
「どうやって利益を確保するのか?」と思うかもしれませんが、ヘッドホンやイヤホンを貸し出すだけでなく、製品販売も行うそうです。製品を借りて気にいったらそのまま購入でき、その場合は改めて新品を送るとのこと。「地方在住者がじっくり試聴できるのはメリットでしょう」との弁ですが、確かにイベントで行列に並ぶのは辛いですし、周囲が騒がしいと肝心の音も分からなくなりがちですよね。オーディオ機器を「サブスクレンタル」できるONZOを一度チェックしてみてはいかがでしょうか。