■新幹線にチャレンジ!?
――カップリングは「ネガイゴト」。大人っぽい印象になりましたね。
私がまだ知らなかった世界や雰囲気というか……。ジャズということもありますけど、ムードのある雰囲気が難しくて、レコーディングでは何回も「大人ってなんだろう」と考えながらやり直していきました。
――「ネガイゴト」はジャズをやりたかったから生まれた楽曲ですか?
はい! それと、「Remember me?」が出来上がってカップリングをどうしようと考えたときに、明るい楽曲にはしたくなかったんです。同じようなロックをやるのも違うので、どんなジャンルをやろうか考えたときにジャズをやってみたいなって思ったんです。でも、こちらも難易度は高かったです。
――どれだけ大人になれるかと。
そうなんですよ。でも、もう22歳なので「大人とは……」なんて言ってられないんですけど(笑)。自分にはないものが詰まっていて、どれだけ背伸びを重ねて大人の雰囲気に近づけるか、レコーディングはてんてこまいだったけど、表現するのが面白かったです。
――どういう風に表現されたんでしょうか。
自分で歌うとまるで出てこなかったんです。最初に声出しで、自分の声でナチュラルに歌ったら全然違う曲になってしまって、これは繕わないといけないと思いました。そこからキャラクター化しようと。まったく別の人間に置き換えてみたんです。歌うときに息を多めに入れてみるとか、かすれさせてみるとか、部分で歌い方を変えていきました。
――大変さが伝わってきます……。ちなみに、山崎さんが思う「大人っぽさ」とはなんなのかが気になるところですが。
うーん、言ったら引かれると思います。
――え、なんですか。
う~。私はひとりで行動すること自体が大人だと思っていたんです。自分で計画して行動することが。あとはスタバでコーヒーをテイクアウトしてさっそうと歩く……みたいな。でも、そういうレベルじゃなかった……。「ネガイゴト」をいただいて、大人というものを履き違えていたなと思いました。
――なるほど……それらは実践されたことは? 新幹線に乗るとか。
新幹線とか……飛行機とか……。
――ひとりで乗ったことは?
それは……ない……です……。
――スタバは?
スタバは出来ます!
■リリースのたびに新しい発見を
――楽曲やライブの演出などもそうですけど、山崎さんの楽曲は世界観が完成しているイメージがあります。それらを表現するために心がけていることはありますか?
良い意味で、自分をなくしています。特に悪い雰囲気の曲とかハイテンションな曲は、自分のままだとなんにもできなくて……。その振り幅についていくには、自分を消さないと出来ないんです。普段の自分を見せたら終わりなところがあって……MCではどうしようもないんですけど(笑)。音楽がかかった瞬間から変わろうという努力をしています。
――楽曲にストーリーがあるものも多いですしね。
多いんです~。盛り上がる楽曲よりも、雰囲気重視なものも多いので、ライブでは楽曲に参加してもらうというよりも、ひとつのストーリーを眺めてもらうというのが正しいかもしれないです。
――そういった意味でも圧倒されます。2018年12月に開催されたワンマンライブ「山崎エリイ SPECIAL LIVE~夜明けのシンデレラ~」での「ラズベリー・パーク」はすごかった。9分近くの物語を展開されて。
あれはドキドキでした……。9分もある楽曲をどうやって表現しようかと。あのときに印象的だった出来事があって。楽曲がスタートしたときに、サイリウムを振っている方が多かったんですけど、みなさんどんどん振らなくなっていったんです。ステージからみると、「あれ、どうしたのかな」って。リズミカルな曲でもないですし、振るというよりも、そのまま持っているという状況で。
――聴き入る、見入るということばがぴったりでしたね。
そういった雰囲気の中、Eriiでの1stシングル「Cherii」や「Remember me?」が入ってくるとどういったライブになるのか、楽しみです。
――今後やってみたい楽曲はありますか?
今回で「山崎エリイってロックをやるの!?」と驚いたと思うんです。今回に限らず、毎回驚いてもらえたらいいなと思います。リリースのたびに新しい発見があるんだなって思ってもらえるものを作っていきたいなと思います。
――次の構想ももう?
なんとなーくですけどね!
――ライブで「こういう演出をやってみたい」とかは?
これまでは間に朗読を挟んだり、クラシックバレエを踊ったりしているので、いろいろやってはいるんです。でも、1曲のなかでガッツリとダンスをしたことはないので、踊ってみたいですね。