チケットを譲る相手が見つからないとき、Twitter等のSNSで「お譲りツイート」や「チケツイ」をして相手を探す人もいるでしょう。しかし、Twitterを検索してみると「相場理解」や「ありがた料」など定価に上乗せした金額や、「定価不可」と記載してチケットを転売するツイートが多く出てきます。これらは法律に反するのでしょうか?
SNSでチケットを売買するときに気を付けたいこと
まず、販売価格について、「相場理解」「定価不可」という記載からすれば、元々の販売価格を超える金額で販売することを想定しているものと考えられますので、実際に元々の販売価格を超える価格で販売してしまうと、不正転売となる可能性があります。
さらに、このようなツイートや掲示板への投稿が複数回なされていれば、何度も繰り返し転売により利益を得ているとして、「反復継続して行う意思を持っている」と判断され、不正転売となる可能性が高くなると考えられます。
たとえこのような転売のツイートや投稿がこのときが初めてだったとしても、定価を大きく超える金額で転売し、今後も繰り返し利益を得ようとしているのではないかと判断され、不正転売に該当してしまう可能性もあります。
定価以上で売買することを匂わせるツイートはアウト?
チケット不正転売禁止法は、不正転売自体を禁止しているため、このような不正転売の前段階のツイート自体が法律に違反するということにはなりません。
しかし、高額転売する内容をツイートに記載をして、その後実際にチケットを転売してしまえば、定価を大きく超える金額で転売し、今後も繰り返し利益を得ようとしているのではないかと判断され、不正転売に該当してしまう可能性があるので注意する必要があります。
チケットをオークション形式で売買することを感じさせるツイートはアウト?
不正転売の方法には特に制限はないため、SNSにおいてオークション形式で転売することも規制の対象となります。
チケット不正転売禁止法の対象は、不正転売それ自体ですので、オークション形式と表示することは法律に反することにはなりませんが、結果として、定価より高い価格で転売することになれば、不正転売として法律に反する可能性があります。
チケットを転売する前に考えたいこと
2020年には東京オリンピックが開催されるほか、著名なアーティストやアイドルのコンサートなど、多くのイベントがこれからも行われます。多くの方がこれらのイベントのチケットを求めることが予想されますが、その一方で、チケットが余ってしまったという人も生まれるはずです。
その際、チケットをできる限り高く売りたい、何枚も余っているからすべて売りたい、などという思いから安易に第三者へチケットを譲った結果、それが実は不正転売に該当していたということも十分に考えられます。
特に現代では、SNS等の情報発信ツールが増え、チケットの転売は個人でも以前より容易になりましたが、一方で法律違反を犯してしまうリスクも増えています。2019年11月29日には、プロ野球のオールスター戦などのチケットをインターネットで高額転売した人物が、全国で初めて不正転売禁止法違反で逮捕されました。
正しい知識を持っていなければ、意図していなくても法律違反となってしまう可能性があることをよく理解し、チケットの売買を行ってもらいたいと思います。