平成から令和へと元号が移り変わったメモリアルな年・2019年。平成"最後"の仮面ライダー「ジオウ」と、令和"最初"の仮面ライダー「ゼロワン」の作品世界が融合する映画『仮面ライダー 令和ザ・ファースト・ジェネレーション』が12月21日より公開される。今年8月に最終回を迎えた『仮面ライダージオウ』と、現在好評放映中『仮面ライダーゼロワン』、まったく世界観の違う2つの作品がどのように交わるのか。映画全編にさまざまな仕掛けが施され、2作品のキャラクターが巧みにからみあってエキサイティングな物語が展開する。

  • 大幡しえり(おおはた・しえり)。1998年生まれ、埼玉県出身。2017年の映画『ひるなかの流星』で女優デビュー。『監獄のお姫さま』(2017年)『覚悟はいいかそこの女子』(2018年)などのテレビドラマや、舞台『雲のむこう、約束の場所』に出演。2018年『仮面ライダージオウ』にツクヨミ役でレギュラー出演し、好評を博す。好きな食べ物はオムライス。好きなスポーツはテニス。撮影:大塚素久(SYASYA)

今回のインタビューは、『仮面ライダージオウ』のツクヨミ役・大幡しえりが登場。仮面ライダージオウ/常磐ソウゴ(演:奥野壮)を常に見守り、信じ続けた芯の強い"戦うヒロイン"を1年間演じあげた大幡が、平成と令和をつなぐ本作の魅力や『ジオウ』と『ゼロワン』共演の見どころを語った。

――まずは、映画『令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』の台本を読んだときのご感想からお願いします。

昨年の冬の劇場版『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』のとき、私たち『ジオウ』メンバーは『仮面ライダービルド』のみなさんと直接お芝居で関わることがなかったので、今回も『ゼロワン』と『ジオウ』の世界は別々になるのかな?なんて考えていたんですけれど、台本を読んでみたら意外とガッチリ両者が絡み合っていて、良かったなと思いました。或人くん(演:高橋文哉)、イズちゃん(演:鶴嶋乃愛)たちとご一緒できて、うれしかったです。映画のキャッチコピーに「決して、交わってはならない」という言葉がありますけど、ツクヨミ的にはめちゃめちゃ交わってます(笑)。

――『ジオウ』最終回では「時の魔王」の力を得たソウゴの希望によってソウゴ、ツクヨミ、ゲイツ(演:押田岳)たちが"戦いのない世界"で普通の高校生になるエンディングを迎えていましたが、そこからまた以前のツクヨミに戻られるのでしょうか。

映画では、テレビの最終回からどうなるのか、がしっかり描かれていますので、そこは観てのお楽しみということで……。でも、やはり1年間レジスタンスとしてのツクヨミを演じてきましたから、最終回エンディングで高校生ツクヨミを演じたのは、すごく違和感がありました。ソウゴ、ゲイツって呼ぶんじゃなくて「常磐くん」「明光院くん」ですからね(笑)。

――『ジオウ』最終回のツクヨミは言葉遣いからして、優等生っぽい印象がありましたね。

男子の友だちを名前でなく苗字で呼んでいるところなんて、優等生キャラっぽいですよね。『平成ジェネレーションズFOREVER』のときも、ツクヨミが一時的に高校生になるシチュエーションがあったんですけど、あのときはふだんのツクヨミと印象を変えたいという狙いがあって、私なりに考えて「成績の悪い女の子」という設定で演じたんです。

――普通の高校生として過ごしているときは高校の制服姿ですが、いつものマントを着けたツクヨミの衣裳とでは、どちらのほうがしっくりくるでしょうか。

もちろん、マントです。制服を着て撮影に入ったとき、あれ? マントはどこだっけ、なんて思いましたから。ツクヨミのマントがないと『仮面ライダー』の現場じゃないんじゃないかって思うくらい、あの衣裳以外だと違和感があります。

――最終回でツクヨミが衝撃の変身を遂げた「仮面ライダーツクヨミ」に、今回も変身されるのですか?

変身します! 変身自体はうれしかったんですけど、ゲイツ、ウォズと並んで「同時変身」すると聞いたとき、ちょっと不安だったんです。みんなは約1年間ずっと仮面ライダーに変身してきて、変身ポーズの呼吸を合わせるのに慣れているんですね。ソウゴとゲイツなんて最初のころから同時変身をやっていますから、ベルトを回すタイミングとかもピッタリで、一回でOKが出るんです。ソウゴ、ゲイツ、ウォズの3人変身なんていうのもけっこうありましたよね。そんな中、最終回で一度しか変身していない私が加わったらどうしよう、と心配しながら撮影に臨みました。実際、私ひとりだけタイミングがなかなか合わず、何度もテストをしてもらって緊張しながら撮影していました。