11月2日、アップルのオリジナルムービー作品が楽しめる定額制動画配信「Apple TV+」がスタートしました。今回は、iPhoneにiPad、Mac、Apple TV 4Kなど、さまざまなデバイスによる視聴体験をリポートしたいと思います。映像と音声のクオリティは高くて満足できましたが、課題も残されていると感じました。
月額600円だが、1年間無料で楽しめるかも
Apple TVは、北米で2016年に先行して展開されてきた映画やテレビ番組の動画配信プラットフォーム。日本でも、今年の5月中旬ごろにApple TVのアプリ配信が始まり、11月2日からはアップル独自の定額制動画配信である「Apple TV+」も加わりました。
Apple TV+は、7日間の無料トライアル期間が設けられていて、以後は税込み600円/月のサブスクリプション料金で“見放題”になります。1件のサブスクリプション登録で、本人を含む家族6人までがファミリー共有を通じて楽しめます。
注目したいのが、2019年9月10日以降にAppleやAppleの正規取扱店で購入したiPhone/iPad/iPod touch/Mac/Apple TVが手元にあれば、Apple TV+の月額利用料金が1年間無料になること。この秋にiPhone 11シリーズを該当のショップで買ったユーザーであれば、デバイスの初期設定を済ませてから3カ月以内にApple TVアプリから利用開始手続きを行うと、1年間も無料で見られます。毎年新しいiPhoneに買い替えた場合はどうなるのかなど、無料で楽しめる1年目が終了した以降の指針についてはまだ案内されていません。
Apple TVのアプリで手軽に楽しめる
Apple TV+の動画コンテンツは、Apple TVアプリで視聴するスタイルがもっとも手軽で便利です。iOS、iPadOS、macOS、tvOSの各プラットフォームには、それぞれ専用の視聴用アプリが設けられています。
これ以外にも、筆者はまだ試していませんが、AirPlay 2に対応するLGエレクトロニクスのスマートテレビはApple TV端末を介すことなく、iPhoneやiPadからAirPlay機能を使ってストリーミング再生ができます。ソニーが2019年に発売するAndroid TVを載せたスマートテレビも、年内予定のソフトウェアアップデートによりAirPlay 2に対応することを予告していますが、本稿の執筆時点ではまだ実現していません。海外では、サムスン電子がApple TVアプリをプリインストールしているスマートテレビを発売していますが、日本上陸の可能性は低いと思われます。
Windowsの場合は、Webブラウザーから「tv.apple.com/jp」にアクセスして見ることができました。Androidスマホでも、同じようにWebブラウザーを利用してApple TV+のコンテンツが見られるとされていましたが、筆者の手元にある端末でChromeを使って試してみたところ、コンテンツのページまでは到達するのですが、再生ができませんでした。Apple Musicと同様に、Apple TVもAndroid版アプリが欲しいところです。
画質・音質は満足のハイクオリティ
Apple TV+で公開されているタイトルは、ジェニファー・アニストン主演の「ザ・モーニングショー」やアニメ「スヌーピー 宇宙への道」、「サーヴァント ターナー家の子守」、新作ドラマの「ハラ」「真相 - Truth Be Told」など。「ザ・モーニングショー」や「SEE 暗闇の世界」などシリーズもののドラマは、毎週金曜日に新着エピソードが追加されます。
筆者の好みにフィットした「ザ・モーニングショー」を見始めていますが、まず映像とサウンドのクオリティがとても高いことに驚きました。それもそのはずで、映像は4K画質で、HDRの方式はHDR10とDolby Visionをサポートしています。音声も、Dolby Atmos対応の機器で再生すればさらに迫力がアップします。
画質と音質の両方でApple TV+のベストを引き出したい場合は、4K/HDR対応のテレビとドルビーアトモスが再生できるアンプやサウンドバーを用意するなど、環境を整えて視聴するのがベストでしょう。
モバイル視聴の場合は家庭より劣ると思いきや、実はそうではありません。iPhone 11 Pro/11 Pro MaxはHDRディスプレイを搭載しているうえ、内蔵スピーカーによるドルビーアトモス再生も可能なので、iPhone本体だけでコンテンツの底力を発揮できる環境であるといえます。