■歌い方自体を変えて、セクシーにアプローチした「眠れる本能」

――ただ、2曲目の「眠れる本能」がまたガラッと違う雰囲気なんですよね。

そうなんです。アニメによっては複数ED自体はあっても、違うアーティストさんが歌っていることが多いじゃないですか? なのに、テイストの違う曲をひとりで3曲も担当できるなんてなかなかないことだと思うので、これを機会にいろいろ吸収できたらいいな、という思いでそれぞれの曲と向き合っていきました。

――なんだか、この1年間に培ったものの披露でもあり、新たな勉強の場でもあるシングルのようですね。

本当にそうですね。体当たりじゃないですけど……(笑)。特に「眠れる本能」は、歌い方自体も結構変えていまして。今までは語尾を上げていたんですけど、この曲は初めて尻下がりに落ちていくんです。

それに、息多めで大人っぽく、それこそ抜きめでとか、ここはビブラート強めで、みたいに……「Le zoo」は自分的には、あまり考えずに等身大で歌っていたんですけど、「眠れる本能」は「自分的にはこうしよう」って結構キメキメで、カチッとカッコつける感じで歌いました。歌詞もかなり挑発的というか攻めている曲なので、声は抜きつつ、でも言葉とか音的には攻めている……っていうバランスの楽しさを感じながら歌っていきましたね。

――その他、レコーディングで気をつけられたのはどんな部分でしたか?

私の場合、いつも結構はきはき言ったり歌ったりしちゃうんですけど、今回はそれを抑えて「カチカチしないように」っていうのは意識しました。でもこの曲、言葉数自体は多いんですよ!(笑)。なので、何を言っているのかわからないようになってもいけない。そこのさじ加減は難しかったですね。

あと、結構わかりやすくアクセントをつけたり、逆にあえてかすれさせたりささやくように歌ってみたり……そういうふうに、今まであまりしてこなかった歌い方にもトライしたので、そこは楽しさを感じたところでもありました。あと、後奏のエレピのアドリブがすごくかっこいいんですよ! これ、私めっちゃ好きなので、ぜひみんなにもフルで聴いてほしいです!

■「マーブル」はとにかく綺麗に、儚く聴かせるナンバーに

――また、もうひとつのED曲「マーブル」は、非常に優しいバラードで。

はい。「Le zoo」ともまた違う優しさのある曲です。この曲のテーマは「分かち合い」で、一人称こそ”僕”なんですけど、私はその優しさからウサギのハルちゃん目線を感じたんです。私、ハルちゃん本当に好きなんですよ。

――あれ? 今のネイルにもハルちゃん要素ありません?

そうなんです。ハルちゃんと、普段のレゴシとちょっと本能の出たレゴシで構成していまして。これは完全に、ファンとしての行いなんですけど(笑)。ハルちゃんは、女の子特有の「私わかっています」っていう背伸び感もありつつ等身大さもある子で……レコーディングでも、そういうハルちゃんの思いを勝手に乗せた部分があるといいますか。

「わかりあいたくてもわかりあえないけど、そばにいたいよ」っていう気持ちをぽんって置く感じで歌いました。なのでこの曲は歌詞も含めて、じっくり聴いてほしいです。それこそ、放送が終わったあとの深夜に(笑)。

――そのうえで、とてもきれいな曲という印象もありました。

私もその印象があります。TVサイズでは聴けないんですけど、2番の頭の間奏には三声のコーラスがあって。それもやらせてもらったんですけど、そのコーラスをはじめ本当に”綺麗な曲”なんですよね。あとこの曲は元々もうちょっとキーが低くて、キーチェックで高くしたんですけど、おかげで歌声の中の儚さがより際立たったのかなと思っていて。優しいメロディで、歌詞にもちょっと寂しさや儚さのある曲なので、その両方を込められるように歌っていきました。